去年の夏突然にのレビュー・感想・評価
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釣り餌
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去年の夏〈イタリアのアマルフィで… 〉という話なのだが、原作者(脚本)テネシー・ウィリアムズは 観光地での アメリカ富裕層の狼藉 (この場合はゲイ) を物語っている
死んで回想部分にしか登場しないセバスチャンの
キャサリン(かっては母親も)の利用の仕方が衝撃的!
彼の死で 記憶喪失、神経衰弱になった彼女を
テーラーが好演している
(監督が信頼を寄せるマンキーウィッツなせいか… )
テーラー、リーといった絶世の美女が ウィリアムズ作品と相性がよく、共鳴するみたいなのが不思議
彼の作品は自身が投影されているが
この場合はセバスチャンだろう
(暴行された経験もあり)
なお実姉も ロボトミー手術をされてしまい
生涯気に病んでいたらしい
これは とても 気の毒に思う
このスタッフはゲイが多いが(笑) 富裕層ゲイの観光地での悪習慣(悪業)をよく赤裸々に描いている
ウィリアムズは「ストーン夫人のローマの春」(映画「ローマの哀愁」の原作)では 観光地の闇に引きずり込まれる孤独な富裕層も描いている
セバスチャンの語った「肉食鳥の話」や邸宅の「食虫植物の存在」は 自然界が(純粋に) 弱肉強食であることを示している
彼も最終的には集団となった弱者(強者に転換)に襲われ絶命する
しかし人間社会には 神の不在も感じられ、力関係の中に人の持つ業のようなものが見え隠れする
それに、ウィリアムズは深く傷ついたのだろうか
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