劇場公開日 1988年1月23日

恐怖省のレビュー・感想・評価

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2.0この映画は本当に「死刑執行人もまた死す」のラング監督作品で、グレアム・グリーンの原作なのだろうか…

2024年9月22日
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鑑賞方法:DVD/BD、TV地上波

先日、フリッツ・ラング監督の
「死刑執行人もまた死す」という、
史実を変えてまでも希望を感じさせようと
する見事な作品に出会い、
引き続きこの作品も鑑賞した。

しかも、原作が
「第三の男」や「情事の終わり」等の
映画で魅了してくれたグレアム・グリーン
とのことだったので
更なる期待の高まる鑑賞となった。

しかし、
サスペンスに徹した作風ではあったが、
ただそれだけに留まってしまい、
「死刑執行人もまた死す」のような
深みや希望を感じさせる内容には
昇華出来てはいなかったような印象。

冒頭では、
主人公の精神病院を退院するシーンがあり、
まさかこれからの事柄は全て彼の妄想
と処理されるのではないだろうな、
とかの邪な考えが後を引いてしまったり、
バザー会場での重さ当てや占いを交えた
不自然なフィルムの入ったケーキの争奪戦、
偽装降霊会での偽装殺人、
同じ血筋とは思えないような兄妹の
お互いへの行為、
等々、
作られ過ぎな事柄の羅列ばかりで、
何かバラバラなエピソードを
強引につなぎ合わせたような、
ストーリーのために必然性の欠けたような
展開の連続に付いていくのも難儀な鑑賞に。

「死刑執行人もまた死す」では、
各エピソードが重層的に関連し合い
意味を持つ構成の作品だったのに対して、
この鑑賞では
ラング監督作品として残念に感じると共に、
本当にあのグリアム・グリーンの原作?
なのだろうか、
との疑念が頭を駆け巡ってしまった。

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