「クリストファー・“ドラキュラ”・リー」吸血鬼ドラキュラ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
クリストファー・“ドラキュラ”・リー
イギリスのハマー・プロ製作で、数あるドラキュラ映画の中でも最高傑作と称えられる一本。
1958年の作品。
ブラム・ストーカー原作で、ストーリーはお馴染み。
にしても、同じ原作を基にして、ベラ・ルゴシ主演版や本作やフランシス・フォード・コッポラ監督版は素晴らしかったのに、どうしてダリオ・アルジェント版は駄作に…?
それもこれもセンスや演出、キャストの魅力だろう。
(アルジェントもホラーの名匠だが、あれだけは…)
本作はとにかくこの、クラシカルな作風が堪らない。
ベラ・ルゴシ版は怪奇色が強く、コッポラ版はゴシック・ホラー・ロマンだったのに対し、本作はサスペンス/ミステリータッチ。
それとクラシカルな作風がイギリス製作にマッチしている。
不穏なムードを漂わせながら、ラストは一気にスリルを加速。
ドラキュラ映画初のカラー作品でもあり、口の周りの鮮血はインパクト充分。
そして、その中で異様な存在感を放つは、クリストファー・“ドラキュラ”・リー。
ドラキュラ俳優はまず英国紳士でなければいけない。リーなら申し分ナシ。
そう見せ掛けておいて、正体を現し、牙を剥いた時の恐ろしい形相への変貌ぶり!
ジェントルマンで怪優のリーにピタリとハマった。
実はリーは助演なのだが、圧倒的!
実質主役は、ヴァン・ヘルシング教授(本作ではドクター)のピーター・カッシング。
こちらも巧演。
カッシングもリーも英国紳士であり、後の『スター・ウォーズ』キャスト。
二人の共演/演技合戦だけでも見る価値あり。
きっとルーカスは、ワクワクハラハラしながら見てたんだろうなぁ…。
リーの代表代名詞作、カッシングとリーの共演、ドラキュラ映画/ホラー映画の名作と言われながら、恥ずかしながらこれが初見。
長らく見たいと思ってて、やっと見る事が出来た。
満足!