君さえいれば 金枝玉葉

劇場公開日:1995年12月2日

解説

香港の音楽業界を舞台に、3人の男女の奇妙な関係を描き、愛することのすばらしさと喜びを謳い上げたラヴ・ストーリー。監督は『雙城故事』(91、日本未公開)でデビューし、「月夜の願い」や本作で脚光を浴びた新鋭ピーター・チャン。製作はエリック・ツァン、エグゼクティヴ・プロデューサーはクラウディー・チャンで、監督を含む3人で主宰する電影人製作有限公司(UFO)の作品。脚本はジェームズ・ユエンとチー・リー、撮影はヘンリー・チェン、美術はユー・チュンマン。音楽はクラレンス・ホイとチウ・ツァンヘイ、レスリー・チョン歌う主題歌『追』(作曲はエイジアン・ポップスの雄、ディック・リー)は、95年香港アカデミー主題歌賞を受賞。主演は「つきせぬ想い」と本作で2年連続香港アカデミー賞主演女優賞を獲得したアニタ・ユン、「金玉満堂 決戦!炎の料理人」でも彼女と共演したレスリー・チョン、「欲望の翼」「つきせぬ想い」のカリーナ・ラウ。

1994年製作/香港
原題または英題:He's a Woman, She's a Man 金枝玉葉
配給:セテラ=ツイン
劇場公開日:1995年12月2日

あらすじ

売れっ子音楽プロデューサーのサム(レスリー・チョン)と彼の恋人で大物歌手のローズ(カリーナ・ラウ)は、同じマンションの上と下の階に住むほどの深い仲で、誰の目にも理想のカップル。だが、実際は2人の心はすれ違いの連続だった。ローズの熱狂的ファンのボーイッシュな女の子ウィン(アニタ・ユン)は、彼女に近づきたい一心で、サム主催の男性歌手オーディションに男装してもぐり込む。オーディションは難航し、サムはしまいにはやけくそで最後の応募者ウィンを合格にしてしまう。ウィンはサムのマンションに住むことになり、3人の奇妙な同居生活が始まった。ローズはウィンを弟のように可愛がり、サムは無邪気なウィンの不思議な魅力に次第に引かれていく。ウィンに対して女性を思うような恋愛感情を覚えるサムはどんどん混乱し、「自分はゲイか?」と煩悶する。ウィンも彼に恋心を抱くようになるが、自分が女であるとは言えなかった。サムとの関係に思い悩むウィンはある日、ローズに思い切って全てを告白する。「彼なしでは生きていけないの」と言うローズの心の叫びを聞いて、ウィンは彼らの前から去った。だが、互いの心が離れていることを知ったサムとローズは、結局別れることに。自分のために2人が別れたことを知って大泣きするウィンは、幼なじみの同居人ユーロウ(陳小春)に励まされ、ドレスを着てサムの元に走る。その姿を見た彼は自分の心に正直に、彼女へ愛を告白した。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5 【レスリー・チャンとアニタ・ユンの中性的な魅力炸裂ラブストーリー。レスリー・チャンがピアノを弾きながら「追」を歌うワンシーンでの、伸びやかな歌声、横顔だけでも見る価値がある作品。】

2025年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

■音楽プロデューサーのサム(レスリー・チャン)は大物歌手・ローズ(カリーナ・ラウ)と恋仲だったが、どこか隙間風が吹いていた。
 そんな時に、ローズの熱狂的ファンである女の子・ウィン(アニタ・ユン)は彼女に近づきたい一心で、サムが主催する男性歌手オーディションに男装して参加する。
 審査は難航し、何故か歌が下手っぴぃなウィンが合格する。

□鑑賞理由
 ・名古屋クラブクアトロと同フロアにある「センチュリーシネマ」にて、現在でもレスリー・チャンが生きていて、ワールドツアーを行っている世界の中での、男性同士の不思議なる邂逅を描いた「鯨が消えた入り江」を鑑賞したため。

◆感想

・物語としては、サムとローズとウィンの、少し可笑しな三角関係をコミカルに描いた作品である。

<物語の途中、サムを演じるレスリー・チャンが、ピアノを弾きながら「追」を歌うワンシーンでの、彼の伸びやかな歌声、やや哀愁を帯びた横顔は圧倒的であり、このシーンだけでも見る価値がある作品。>

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NOBU

4.5 大好きな映画のひとbつ

2021年5月29日
iPhoneアプリから投稿

当時見た時はアニタ・ユンの可愛らしさが好きだった。
でも、今回改めて見直してカリーナ・ラウの素晴らしさに気がついた。大人の女の可愛らしさ、奔放さ、我儘さ、不安定さ、いろんな表情を自然に見せてくれる。

そして主題歌の「追」。メロディも歌詞もレスリーの声もじんわりと心に残る名曲だ。

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おこげ

3.0 念願の再鑑賞

2019年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

楽しい

 ソフトは廃盤。いろいろなVODでも配信なく、なかば諦めかけていたが、自宅のテレビに搭載されていたVODで見つけた。
 亡きレスリー・チャンが円熟の境地に達した演技と歌唱で素敵だ。
 LGBTが世界のあちらこちらで市民権を得てきた現状がもっと早く訪れていたら、彼はもっと生きやすかったのではないだろうか。そして、自らの命を断つこともなかったのではないだろうか。
 なるほど、ビートルズの楽曲やセサミストリートのマペットといった、版権が厳しくチェックされそうなものが満載だ。ピーター・チャンの監督作品なのに廃盤になる理由はこのあたりであろうか。

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佐分 利信

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