「主人公2人の心象描写を疎かにした印象の演出に…」君がいた夏 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公2人の心象描写を疎かにした印象の演出に…
想いを寄せた異性への思慕の観点での作品
として「フォーエヴァー・ヤング」
に続いて鑑賞。
しかし、作品の導入から嫌なスタート。
主人公の男性は何十年も会わないでいた
過去の女性の訃報を受けると、
上手くいっていない同棲関係とはいえ、
彼女を無視して追憶の旅に出る展開や、
一方、女性の方も、2人の間に
恋愛や結婚への障壁がある訳でもない中で、
2回の結婚・離婚を繰り返したあげく、
両親を飛び越えて遺灰を男性へ託す設定に
私はついていけなかった。
しかも、ストーリー展開が、
主人公2人の感情にどう影響しているか
分からないままの
両親と友人の恋物語に時間を割き過ぎて、
肝心の主人公2人の心象描写を疎かに
してしまった稚拙な演出に感じた。
もちろん男女の恋愛感情は微妙なもので、
2人にしか分からない要素はある。
しかし、
過去に想いを寄せた異性があったとしても、
でもそれはあくまでも“過去”であって、
大切なのは“現在”との男性の決意を
見事にラストシーンで描いていたのが
「シェルブールの雨傘」だったように思う。
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