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楽しい3つの話〜イタリアらしい情の世界
ビットリオ・デ・シーカ 1963/伊・仏
すてきな3つのストーリー。雰囲気や人がらが違う3パターンのソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ。その他にナポリ、ミラノ、ローマの街並みや人の暮らしぶりも楽しめる、お得感のある120分♡
1.ナポリのアデリーナ 家賃が払えず子作り
2.ミラノのアンナ 淋しいドライブ
3.ローマのマーラ 隣の神学生
最初の話では、ナポリの街が明るくて楽しい。夫婦愛と街の人の人情で心がほっこり。
ミラノの話での2人は超都会的洗練。特にソフィア・ローレンのカッコよさ!ここでのマルチェロ・マストロヤンニは辛そうだ。都会の競争の厳しさ、貧富の差、華やかさの裏にある冷たさが淋しい。花売りのそばかすの男の子が絶妙なニュアンス。
ローマのマーラ役は、厚化粧で上品さには欠けるが、人がらはとても好感が持てて、大好きになってしまう。
楽しみながらも、この監督さんらしく、人の温かさを大切にする映画だった。もちろんミラノの話は冷たいが、前後のホッコリする話で包むことで、互いが比較強調され、見終わる時には心をそっと優しくくるんでくれる。
ソフィア・ローレンを見る映画です
60年前のイタリアの市民生活、ナポリ・ミラノ・ローマの3都市を堪能できる。
ソフィア・ローレンが歌うよう
女王様のソフィアローレン
たまたまツタヤで気になって借りたこの作品。2時間弱の中で3組の男女のお話が繰り広げられています。
その3篇ともがソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが主演ですが、全く違う男女を演じられています。
ひとつめは、「ナポリのアデリーニ」罰金を払わなかったことにより、警察から追われるが、妊婦であれば逮捕を延期されると知ったアデリーニ(ソフィアローレン)が次々と子を産むお話。
ふたつめは、「ミラノのアンナ」お偉いさんの婦人であるアンナ(ソフィアローレン)と青年(マルチェロマストロヤンニ)との浮気の行く末のお話。
みっつめは「ローマのマーラ」高級娼婦であるマーラ(ソフィアローレン)に恋をした神学生と、その祖母とのいざこざ、そしてそれに巻き込まれるお客のルスコーニ(マルチェロマストロヤンニ)のお話。
普段1人二役三役、や同じキャストが全く別の役をひとつの映画の中で演じるといった場合、どれだけ変化したか、などを評価されることが多いように思いますが、この映画でいえば、私個人的にその変化はあまりないと思います。どのお話も似たような男女と言えると思います。これは昔の話だからか、それともイタリアだからなのかわかりませんが、とにかく全編通して「女王様」のソフィアと「しもべ」のようなマルチェロのやりとりがコメディチックで面白いです。
女の方はきまぐれでとにかく勝手。「いやいや駄目だよもっと男を大切にしてあげて!」と思わず女性の私でも男性の方に同情してしまう場面がとても多かったです。でも、ソフィア・ローレンの抜群の美しさに、それを許してしまう心理もとてもよくわかります。
常に少し見下したようなソフィアの目線、少女のような満面の笑み。そのギャップに何をされてもいい!と思ってしまうのでしょう。
お話としては「共感」できるところはありませんが、それを求めなければとても面白い3編だと思います。
個人的には3つめの、マルチェロ演じる男がお客であるにも関わらず、ソフィアに命令されたり尻に敷かれたりしながらも言う事を聞いてしまうかわいらしさにきゅんとしてしまいました。
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