「市街地カーチェイス!」華麗なる大泥棒 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
市街地カーチェイス!
およそ50年前の作品だ。
鑑賞中、頭をよぎったのは「007 ドクターノオ」だったが、さらに10年古かった。
互いはしのぎをけずりあったのか?
エンタメ映画の花形、アクションサスペンスは昨今、派手でCGもモノスゴイ。
だが本作を観ているとその全てはこの頃すでに出尽くし、
確立されたものの焼き直しなのではなかろうか、と思ってしまった。
ストーリー展開の遅さはあれど、
いざアクションとなれば、ここぞのツボとでもいうべきか、
押さえておくべきところをはずさない仕上がり具合は今と一緒。
むしろ一気に50年を巻き返したかのごとくで驚かされる。
特に冒頭部にある市街地チェイスの仕上がり具合はもう、なんだありゃ!
古さゼロで大興奮してしまった。
悪い奴らがやりあう様はダークでハードボイルド。
それでいてヤキモキするような恋愛要素に、ちょっとしたどんでん返しもあったり。
モデルらしいと知っていたがこの世界観、モンキーパンチの「ルパン三世」そのものだし、
さらにベルモンドの外見は「コブラ」だし、
アクションのダイナミックさは宮崎アニメにも通じるのでは、と思えてならなかった。
みな好きで、自作にとりこんだのではなかろうか、と妄想しか広がらない有様。
影響力、とはおそろしいし、だからこそ温故知新を噛みしめる。
ちなみに本編中、どれだけアクションが盛り上がっても音楽はかからない。
これも新鮮。ある意味、臨場感があってよかった。
でもって音楽、モリコーネだったのもこれまたびっくり。
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