悲しみの天使のレビュー・感想・評価
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特別な友情
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フランスの元外交官であり作家のロジェ・ペルフィットの自叙伝的小説を映像化したものらしいです。映画では、主人公ジョルジュ(フランシス・ラコンブラード)はフランス語で賞か何かをもらっていたので、外交官になったわけですね。
舞台はミッションスクールの寄宿舎という閉鎖的な空間ですが、古典的なモノクロの映像が美しかったです。アレクサンドル(ディディエ・オードパン)が子羊を抱いて登場するところが輝かしいです。タイトル通り天使のように可憐でした。
悲しみの天使というタイトルから、ラストが予想されてしまいましたが、教会の厳しい規律によって引き裂かれた愛と悲しい結末に後味の悪い思い(いたたまれないというか)をしました。自叙伝的作品なので実話に基づいているのでしょうが、本当にこんなことがあったのかと驚きました。調べたところ、実際は「毒を盛っての自殺」だったとか。
同性愛的な二人ですが、プラトニックでつながっているようでした。二人が交わす手紙には「口づけ」などの言葉も出てきますが、一種の言葉遊びであって、純粋無垢な彼らでした。
漫画家の萩尾望都がこの映画に感化されて、『トーマの心臓』を生み出したらしいです。
アレクサンドルを演じたディディエ・オードパンは、『雨のしのび逢い』でジャンヌ・モローの息子役で登場しています。また、『新・個人教授』では、ナタリー・ドロンに性の手ほどきを受ける青年を演じているそうです。(これは未見)
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