「【精神病を詐称した男が経験した、1960年代の精神病院の現実。人間の尊厳と社会の不合理を描いた作品。前半の明るいトーンからのラストシーンの恐ろしさに戦慄する作品でもある。】」カッコーの巣の上で NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【精神病を詐称した男が経験した、1960年代の精神病院の現実。人間の尊厳と社会の不合理を描いた作品。前半の明るいトーンからのラストシーンの恐ろしさに戦慄する作品でもある。】
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■1963年9月のある日、オレゴン州立精神病院に1人の男ランドル・P・マクマーフィ(ジャック・ニコルソン)が連れられてきた。
彼は刑務所の強制労働を逃れるために狂人を装っていた。
マクマーフィは絶対的な権限を持つ婦長ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)が運営する病院に、さまざまな手段で反抗しようとする。
◆感想<Caution 内容に触れています。>
・途中までは、婦長ラチェッドが、病院内の規律を乱すマクマーフィの数々の行いを、歯ぎしりしながら観ている姿が印象的であった。
・マクマーフィが、それまで精神病患者たちが、病院の言いなりになって死んだように暮らす姿を変えて行く姿。
・それに感化されたように、精神病者たちの表情も生き生きとしてくる。口が利けないふりをしていたアメリカン・インディアンのチーフも、マクマーフィには口を聞く。
<恐ろしいのは、精神病患者たちに行きる意味を与えたマクマーフィが密かに脳の手術を受けたと思われる彼の額に刻まれたメスの後であろう。
彼はそれまでの快活な表情とは無縁の生きた屍のようになって、ベッドに横たわっている。
それを観たアメリカン・インディアンのチーフは、彼の頭に枕を押し付け、絶命させるのである。
勿論、彼を思っての行為である。
前半の明るいトーンからのラストシーンの恐ろしさに戦慄する作品でもある。>
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