「俺たちは似ている。自分勝手だが、真実を真実だと言える強さがある。」風と共に去りぬ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
俺たちは似ている。自分勝手だが、真実を真実だと言える強さがある。
映画「風と共に去りぬ」(ビクター・フレミング監督)から。
鑑賞後「アカデミー9部門受賞のハリウッド映画史上不滅の最高傑作。
アメリカ南北戦争前後のアトランタを舞台に、
炎のような女、スカーレット・オハラの波乱万丈な半生を描いた
ロマンスの金字塔的作品」という作品説明に首を捻った。(汗)
「これがロマンス映画?」という疑問は、未だに消えていない。
「風と共に去りぬ」(原題 Gone With the Wind)というタイトルも、
映画の冒頭に流れるナレーションにだけ、そのフレーズがある。
「騎士道を重んじ綿畑が広がるその土地は「古き良き南部」と呼ばれた。
その美しき世界には、逞しい男たちや華やかな女たちが生き、
そして支配者たちは奴隷を抱えていた。だが、それも今は夢の中のお話。
すべてが風と共に過ぎ去ったのだ。」という個所のみ。
多くの方が「名作だ」「傑作だ」「素晴らしい」と評価するレビューを眺め、
自分の感性の低さを嘆き、落ち込むことになった。
私は、大切なものを見落としているのかもしれない、と感じるが、
今の時点では、あまり心を揺らすような台詞は見つからなかった。
強いて言えば「スカーレット」に「レット・バトラー」が求愛するシーン、
「俺たちは似ている。自分勝手だが、真実を真実だと言える強さがある」
この時代に、自分の信念を曲げず、力強く生きた彼女には拍手ものだが、
やっぱり「自分勝手」のイメージが払拭できなかった。
これを「情熱的」と捉えるか「自己中心的」と捉えるかは、判断が分かれる。
あのレット・バトラーでさえ、最後にこう言いきって別れを告げた。
「お前は子どもだ。誤れば何でも許されると思ってる」
その台詞、私が長時間感じていたことだ、とメモ帳を閉じた。
P.S.(ちょっと「気になった一言」)
「時を浪費するなかれ、人生とは、すなわち時なり」
「生まれつき、弱い者に加勢したくなる」
「私は恩を忘れないわ」
「だが、君はまた同じことを繰り返す。
盗んだことより、監獄に入る事を後悔する泥棒と同じだ」
「君は哀れだ」「私が?」「そうだ、幸せを両手で投げ捨て、不幸を求めている」