「海外では珍しい、被曝の恐ろしさを伝える作品」風が吹くとき かせさんさんの映画レビュー(感想・評価)
海外では珍しい、被曝の恐ろしさを伝える作品
原作は『スノーマン』のレイモンド・ブリッグズの漫画。
音楽にピンクフロイドのロジャー・ウォーターズ、主題歌をデビッド・ボウイが担当。
【ストーリー】
舞台はイギリスの田舎。
ジムとヒルダは、仲の良い老夫妻。
戦争が勃発し、政府の指針どおりに、二人は物資を買いこみ、家の一角にシェルターを作る。
シェルター完成直後に政府発表がラジオから流れ、二人は間一髪閃光と爆風の難をのがれる。
だが、周囲のあらゆるものは吹き飛ばされ、自分たちの家以外、すべての文明が消えていた。
政府の救助を待ち、そこで暮らしを続ける夫妻。
食料が切れ、被曝の影響で内臓がやられ、髪が抜けはじめ、それでも二人は日常から出ようとしない。
動く元気もなくなった二人。
祈りの言葉が思いだせないジムに、ヒルダがもうやめてと言い、電気を消す。
この作品を見たのは、当時まだ映画を上映してくれていた京都祇園会館。
『はだしのゲン』好きの自分に、社会活動好きの親が連れていってくれたような記憶があります。
核攻撃の、それも放射線被曝部分にスポットをあてて描かれている、メッセージ性の強い映画です。
核兵器が使用されたなら、実際に起こりうるであろう悲劇を描いた、はだしのゲンやこの『風が吹くとき』などの作品群が、東西リーダーの核発射ボタンを押させぬ抑止力になってほしい。
そんなふうに願ってやみません。
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humさんのコメント
2024年10月19日
かわいい絵のとても怖いストーリーでした。
悲劇を繰り返すのは愚かですね。
間違った権力のためにいったい人間はどこまで美しい地球の仲間をいためつけるのでしょう。
他作へのコメントもいただきありがとうございました。