劇場公開日 1951年10月30日

賭はなされたのレビュー・感想・評価

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4.0サルトル参加の影響は?

2021年11月25日
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脚本にサルトルも参加したメロドラマ映画で
ミシュリーヌ・プレールがとても綺麗に撮られている

彼女が演じる美しい妻より
その持参金の方が好きな夫は妻を毒殺するが
甦られてベッドから じーっと睨まれる(笑)

冥界で
現世では(手違いで)出逢えなかった
運命の二人は恋に落ちる

でもここでは愛を体感出来ない

しかしチャンスを与えられて甦ると
二人は問題山積の肉親や仲間のことを優先してしまう
それぞれの環境や階級の壁は取り払われても
絆や拠り処みたいなものに縛られてしまう

未来や現状を正確に把握出来たから
諸問題を解決出来そうに思い尽力するが
そうはならない
ピエール(パリエロ)と共に労働運動が
瓦解する様子も描かれている

この辺の皮肉っぽいところが
メロドラマに変化を与えているようだった

総てを見透せても
冥界では指をくわえて見ていることしか出来ない
完全な平穏というものは何処にもない、ということだろうか
(存在欲求は満たされない)

プレールの映画を全部観たわけではないが
美しさではベストワンかも

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jarinkochie