「メキシコの革命家サパタを演じるマーロン・ブランドの内省的な表現力とジョセフ・ワイズマンの曲者振り」革命児サパタ Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
メキシコの革命家サパタを演じるマーロン・ブランドの内省的な表現力とジョセフ・ワイズマンの曲者振り
制作ダリル・F・ザナック、脚本ジョン・スタインベック、監督エリア・カザン、出演マーロン・ブランド、アンソニー・クィンで出来が悪いはずがない。メキシコに革命を起こし大統領に上り詰めるも、理想と現実に乖離に失望する農民出身のエミリアーノ・サパタを演ずるマーロン・ブランドの内省的な演技が地味ながらも、その実力を見せ付ける。カザンの演出も骨太なタッチと大胆なカットを駆使して、メキシコの土着性を映像に焼き付けている。対立するクィンの演技も素晴らしい。その中で、個人的に注目したのは、助演のジョセフ・ワイズマンの曲者振りだった。知性がありながら、他人に依存して利用しないと生きれない謀反人の卑劣さが良く出ていた。偶然にもウイリアム・ワイラーの傑作「探偵物語」に感動した記憶が残る状態で見学したのもあり、このワイズマンの強烈な存在感に感服してしまった。カザン作品としては余り評価されていない映画だが、個人的には好きな部類に入る。
1977年 7月22日 地上波テレビ
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