ガーターベルトの夜のレビュー・感想・評価
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一夜の相手(しかも年下)との純愛は成り立つ?
パーティーで知り合った年下の青少年と一夜のアバンチュール(死語?)。そんなライトな関係の彼との純愛は果たして有り得る?
ヒロイン、ジュザベルは性に対して奔放で経験豊富。そんな彼女が17歳の少年に恋の手ほどきを・・・。こうなれば『プライベート・レッスン』のようなエロティックな内容を思い浮かべるが、本作の2人の関係はちょっと違う。2人はタイトル通りのアダルト(?)な夜を過ごす。ジュザベルはアリエルをまずは自宅へ誘う。次に夜のパリのセクシーゾーン巡り。アダルトショップでセクシーな下着を買う、ストリップショーを観る、ポルノ映画を観る、ニューハーフの娼婦(?)がお客を求めるブローニュの森へ行くetc・・・。だが、この2人には濃密なエロスが全く無い。むしろ初体験さえ知らない中学生の健全なデートのようなノリだ。ジュザベルはウブな少年をオモチャにして楽しんでいる態だし、アリエルは何だか解らないまま一方的に振り回されている感じだ。この関係は終盤まで続き、観ているこちらとしては、我儘女に振り回されるアリエル気の毒というスタンスだ。
しかしそんな一夜が明けると、2人の関係が微妙に変わってくる(因みに私個人としてはこの2人、プラトニックなままだと思っている)。友人と旅行に行く予定なのに寝過ごし、あげくの果てに昨夜出会ったニューハーフにお金を盗まれたことに気付いたアリエルは、どうしても家へ電話を掛けられない。ウジウジするばかりのアリエルに小言を言いつつジュザベルが提案したのは、こともあろうに知り合いのイケメン社長(not ゲイ)に抱かれてお金を貰えというもの。こんなトンデモ提案に「はい、そうですか」と乗れるわけはなく、目論見は失敗に終わる。しかし彼らを2人残して退室した彼女が、やけにイライラしているのは何故だろう?ふざけ半分で言った「あなたに恋しちゃったの」という昨夜のセリフはあながちウソではないのかもしれない。
しかし、一夜のアバンチュールの相手(しかも17歳)と恋愛が成立するわけがない。ジュザベルはなけなしのお金を彼に渡して、さっさと別れを告げて去る・・・。
だがアリエルはそんな彼女を追いかけて、彼女の腕にすがってこう言い放つのだ。
「あなたを愛しています。」
ズルい・・・。こんな殺し文句があるだろうか?こんな一言にはどんな女だって絶対落ちる。そしてこんなラストシーンを持ってくるデヴネ監督は本当にズルい。それまでフレンチポップスに乗せてオシャレでポップな現代的恋愛模様を軽く見せてきたのに、ここにきて直球の純愛物語に変換させるなんて。
一夜のアバンチュールの相手との純愛、もしかしたら本当に成り立つのかもしれない。
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