「瀬戸際の花嫁」汚名 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
瀬戸際の花嫁
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FBIの密命によりマザコンの中年男と結婚させられる可哀想な女性の話。イングリッド・バーグマンはヒッチコックの映画に3本出演しているが、これは「白い恐怖」に続く2本めの作品だ。北欧出身のバーグマンはたとえばマリリン・モンローなどの対極にある硬質な美しさだが、この映画ではなぜかいきなり冒頭からケイリー・グラント扮するエージェントにデレデレする。ヒッチコックは彼女といいグレイス・ケリーといい、クール・ビューティーが理性をなくす姿を見せるのがお好みらしい。
ケイリー・グラントとジェームズ・スチュアートはそれぞれヒッチコックの映画に4本ずつ出ているが、ざっくり分けるとグラントはどちらかと言えば軽妙洒脱、スチュアートは真面目担当だが、この作品ではグラントも抑え気味だ。
物語のキーとなるウラン鉱石だが、脚本段階ではまだ広島・長崎への原爆投下の前で、ヒッチコックが原爆について科学者に取材した後、3カ月に渡ってFBIの監視が付いたそうだ。
いずれにせよFBIの作戦があまりに非道すぎるし、終盤アリシアが毒を盛られ続けるくだりはただただむごくて。
♪“No-no-notorious”by Duran Duran
ナイル・ロジャースのギターがかっこいい。
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