劇場公開日 2016年10月15日

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「クロード・ルルーシュ監督『男と女』の衝撃」男と女(1966) 細谷久行さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5クロード・ルルーシュ監督『男と女』の衝撃

2014年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

クロード・ルルーシュ監督の異色のデビュー作。
まず注目すべきは人物設定の妙。それぞれに配偶者をなくし子供を同じ寄宿学校に通わせるという共通点をもつアラサーの男女を冒頭から交互に映し出しそれによって二人は運命的に出会うことを無言のうちに暗示する。モノクロームの車中、だがそこでの会話はカラー映像で語らせる:それぞれの配偶者の職業とその死を。二人の間は子供を介して少しずつ距離が縮まってゆく。影のある女アンヌはジャン・ルイよりも亡き夫をこころに堅くしまいこむ。二人の距離が決定的に縮まったのはジャン・ルイが過酷なラリーを制しそれにアンヌが祝電を送ったとき:おめでとう、愛しています。それを受けたジャンは狂喜しパリまでの600キロをとばす。そして再会。子供たちを寄宿学校に預けてホテルへ。ついに二人は結ばれる。しかしそのめくるめくときにもアンヌの脳裏には亡き夫の深い影がよぎる。これはカラーで映しだされる。「なぜ?彼は死んだんだよ」。気まずい雰囲気になる・・・。
これぞルルーシュ監督の斬新で革新的な映像処理だ。ルルーシュ監督に絶賛の拍手を送りたい。

細谷久行
トミーさんのコメント
2023年10月27日

大瀧詠一、絶対いただいたと思いました。

トミー