「物語らない物語」台北ストーリー くーにー62さんの映画レビュー(感想・評価)
物語らない物語
台湾巨匠傑作選2024@シネ・ヌーヴォー。
1985年の作品。何ともうすぐ40年経つのだね。
侯孝賢主演、ほかにも後に名をなす台湾映画人が参加しているとか。台湾版『アメリカン・グラフィティー』か。
映画史上の位置づけはさておき、この映画、およそ説明的な描写を欠き、日常の断片を連ねた極めて不親切なつくり。主人公ふたりの関係性も明示されず、もやもやのまま進行するから、渡米の話や融資の話などさっぱりピンとこない。何となく見えてきたのは、「中華民國萬歳」「FUJI FILM」のネオンサインに象徴される80年代台湾の政治的・経済的な閉塞感。絵的には美しいのだけど、ストーリーに乗れないままなので、何となくの域を出ない。少年野球の話も、もうちょっとわかりやすく語ってよね。
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