劇場公開日 1980年8月30日

「ショービジネスで生きた男の半生」オール・ザット・ジャズ tatechanさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ショービジネスで生きた男の半生

2021年11月27日
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楽しい

二十歳ぐらいの頃に映画館で見たのですが、当時もとても気に入っていた映画です。久しぶりに見たのですが、ストーリーを結構覚えていたのは、深く印象に残っていたのでしょう。
ボブフォッシーのことはあまり知らないのですが、よく理解できました。私と違ってかなり女性関係が派手な人のようですが、共感できる部分が多かったのは私が若い頃から退嬰的な人生観を持っていた為でしょうか。
素晴らしいダンスシーンがかなりの部分を占めており、そのことが映画を楽しめた一番の理由でしょう。特に別れた妻と娘のダンスシーンが好きです。別れた妻役の女優とロイシャイダーの演技が素晴らしく、二人の間の微妙な感情をうまく表現できていました。娘役の演技も素晴らしい。
天使の役?の女性はユング心理学でいうアニマの存在に当てはまります。男性の心の中に住む理想の女性像で、時として男性を破滅に追いやる存在です。
現実と妄想が渾然一体となって、人によってはわかりにくいかもしれませんが、それがボブフォッシーの生きていた世界なのでしょう。ショービジネスの世界はどこかこの世ではない世界なのでしょう。

tatechan