「ボブ・フォッシー自伝」オール・ザット・ジャズ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ボブ・フォッシー自伝
ボブ・フォッシーはアカデミー賞、トニー賞、エミー賞を立て続けに受賞したショービジネス界の名演出家、48歳の時に映画「レニー」とミュージカル「シカゴ」の掛け持ちで倒れたことから死を意識、自身の半生を振り返えった映画化を思い立ったらしい(見舞ったシャーリー・マクレーンが焚き付けたと吹聴しているようですがどうなんでしょう)。徹底した凝り性なので予算をオーバー、コロンビアは中止したかったがFOXが助け船をだし追加予算を引き受けたいわくつきの映画。フレッド・アステアに憧れて10代からタップダンスを演じ、踊子さんたちから寵愛を受けて育ったので早熟、性に関してもいたって奔放、バーレスクはソウルダンスなのだろう。本作から7年後心臓発作で60歳の人生を閉じました。若手のレッスンシーンに時間を割いているところを見ると伝えたかったものもあったのでしょう。当時16歳の愛娘ニコール・フォッセもダンサー役ででているのですが多すぎて分かりませんでした。登場人物にはモデルが居りブロードウェイのファンなら誰がどの人か分かるのでしょうが、もどかしいところです。
業界人にありがちな私生活部分は頂けません、見どころは稀代の振付師が演出した劇中のダンスシーンとその撮り方へのこだわり、躍動感が伝わります。エンドロールに流れる「ショーほど素敵な商売はない」が彼の最期に伝えたいメッセージなのでしょう。
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