劇場公開日 2000年4月29日

「アルモドバルは天才か?変人か?」オール・アバウト・マイ・マザー keitaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アルモドバルは天才か?変人か?

2012年3月11日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

これ程に奇怪なストーリーを大真面目に描くアルモドバルは変人か?天才か? 息子の死をきっかけに目をつむってきた自分の人生と向き合うマヌエル、妊娠をして母として新たな人生を歩もうとするロサ、自分の過去を受け入れて恥じることなくさらけ出すアグラード、全ての母なる女性達に送る讃歌だとアルモドバルは高らかに描き出す。
そして、この作品自体にも生も死も人間の多様性も人生のすべてを包み込むような温かさがある。
深刻な場面もそうでない場面もシリアスに描くことでラストシーンをより際立たせ観客を笑顔にさせる。 また、幸せの掴み始めの他愛ない会話で映画は終わり人生の継続性を感じさせる。
所々にも温かさを感じさせる演出が素晴らしい名作。
やはり、天才と変人は紙一重か。

keita