エルのレビュー・感想・評価
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父親は誰
教会の足洗い儀式から美脚の女性に目移りし
追いかけて行ってしまうところで
自由連想法(←フロイト)を連想した
足フェチも
連想は妄想を生み出したりする
これはパラノイアになっちゃったケースか
だけどシュルレアリズムはその昇華産物のような気が
主人公は女性の美貌を賛美しながら
なぜか自分だけ記念写真を撮ってたりする
最初の夫が精神疾患をわずらった
スペインのメルセデス・ピント・アルマスの
1920年代のブルジョワ社会が舞台の小説(1926)が原案だが
監督は 自身の思い当たる節も付け加えたか
親しい友人であるダリの早い成功や
気にいってた詩人ロルカが彼に好意を寄せたことにも
嫉妬していたらしい
ブルジョワ男性が神に近い場所ともされる塔楼で
下を歩く人々を見下し、妻に手をかける処は怖い
多才な女性作家はフェミニズム思想も推し進めていった人だが
ミゲル・プリモ・デ・リベラ大統領に国外追放命令を出され亡命する
ブニュエルは自身の二面性におののき
時代に取り残される独裁気質のブルジョワ男性は病んでしまう
ということだろうか
やっぱり女の足か…
主人公の徹底したパラノイアぶりには、途中で何度も笑ってしまうのだが、ラストのアノ展開に迄なってしまうと、もう不憫以外の何物でもない。
やはり、アルトゥーロ・デ・コルドバの演技が素晴らしい。
あの極端で異常な行動ぶりには、本当に思わず笑ってしまうほどに、あり得なさそうでいて、しかし現実には居ても全くおかしくはない、という、そんな危うい人格を完璧に演じている。
ラカンが自分の講義のレファレンスに使用したのも納得の恐るべきリアリティ。
教会の鐘のシーンはヒッチコックの『めまい』を思い出したが、間違いなく本作の影響は受けているのだろう。
そんなヒッチコックみたく、もっとサスペンスやスリラーな展開へ舵を切っても面白かったと思うが、原作に忠実だったということか?
というか、題材が題材ゆえ、己に真摯に向きあったということか。
というのも、あの不条理な主人公はブニュエル自身を投影していたらしい。
あの狂気に翻弄された主人公の一体どこまでが本当にブニュエルの分身なのかは分からないが。
やっと見られた。期待に違わぬ出来。全編凄まじい迫力で、私は男性なの...
やっと見られた。期待に違わぬ出来。全編凄まじい迫力で、私は男性なのでフランシスコが真に迫りました。奥様が正常なのはわかっていながら飲み込まれてしまった。ブニュエルも彼に自己投影したとチラシにあったけど、自分の投影の、その重みを作品に乗せるというのはどうやるのだろう。わかってりゃ世話ないか。
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