エディ・コイルの友人たちのレビュー・感想・評価
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名優ミッチャムの哀愁漂う背中が味わい深い
ロバート・ミッチャムが、裏社会で武器調達の役目を担うしがない男を演じる一作。もうじき裁判を抱えており、その罪を少しでも軽減してもらうべく、彼は司法取引に応じるのだが・・・。表向きの派手さはないものの、隠れた名作として非常に評価が高く、ベン・アフレックの『ザ・タウン』などにもその影響が随所に見受けられる。本作の評価すべきところとしては、ボストンやチャールズタウンなどの犯罪多発エリアでカメラを回し、その映像的リアリティにこだわり抜いたところにあるだろう。強盗団の銀行襲撃などの手順は緻密さが際立つ一方、彼らの覆面はいつもコミカルで、そのギャップが可笑しさと恐怖を同時に醸し出してもいる。さらに、犯罪者といえども養うべき妻や子供達がいる。この先、いったいどうやって暮らしていけばいいのかという悩みもある。通常の犯罪映画とは違い、かくも思い悩むミッチャムの後ろ姿を哀愁深く映し撮った、いぶし銀の名作だ。
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