「おー!こいつは面白い!オススメです」エグゼクティブ・デシジョン あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
おー!こいつは面白い!オススメです
エグゼクティブ・デシジョン
1996年公開
冷戦が終わって5年後、911の5年前
これからの敵はどいつだ?という微妙な時代の作品です
それが007映画と対テロ戦争映画のハイブリッドの構成に本作をさせています
もしかしたら最初からそういう映画を作ろうという狙いだったかも知れません
凄いのは基本的に911を警告したようなお話だというところ
エグゼクティブデジションとは大統領だけが下しうる最終決定のこと、それは400人が乗ったジャンボ機を撃墜するか、東海岸の人口半分が死ぬ程の細菌兵器を積んだままワシントンに着陸させてしまうか?この二択です
以下ネタバレ含みます
スティーブン・セガールは主演では無く、準主演級の脇役です
というのも序盤で退場するからです
では主演は誰かと言うとカート・ラッセルです
セガールは陸軍特殊部隊のトラビス隊長役で序盤テロリストのアジトを襲撃します、カート・ラッセルは陸軍の情報コンサルタントで、その作戦の情報を取って来たグラント博士役です
結局その作戦は上手くいかず、グラント博士と特殊部隊との間に遺恨がうまれます
トラビス中佐始め特殊部隊のメンバーは終始戦闘服、グラント博士は序盤パーティーにでていてタキシード姿でマーティーニを引っ掛けながら、女性を口説いています
つまり特殊部隊は現場仕事一本の叩き上げの連中、グラント博士はパソコンばかりいじって適当なことをほざいてくる本社のインテリという対比です
特殊部隊とグラント博士がアテネ発ワシントン行きジャンボ機のハイジャック事件に緊急召集されてチームを組むという趣向です
本作のおもしろさの目玉は、特殊ジェット機を使いハイジャック犯を排除するべく特殊部隊をジャンボ機に密かに空中で乗り込ませるという設定です
これが三つ目の選択肢です
これが序盤の山場になります
驚くのはのセガールのトラビス隊長がここでいきなり死んでいまいます
色々あってなんとか潜入は成功するのですが、思いもよらない隊長が死ぬは隊員は重傷を負うは、装備を失ったりするという所がなかなか他には無い展開です
どうせ絶体絶命のところでセガール隊長が無双してテロリストをあっという間にやっつけてしまうんでしょという予想を裏切ってくれます
そして、、ジャンボ機の真っ暗な床下、天井を忍者さながら這い回って爆弾の捜索、ハイジャック犯の人数、居場所などをコッソリと探るのが中盤、敵に感づかれたら駄目なので終始ヒソヒソ声での会話で観ているこちらまで緊張してしまいます
劇伴が大物のジェリー・ゴールドスミスで緊張感を盛り上げてくれます
しかも潜入成功をワシントンには知らせることができなかった為に大統領は刻々と本土に迫ってくるジャンボ機に対して最後の手段として撃墜するように戦闘機を差し向けます
ハイジャック犯を排除出来るのか?爆弾の機能を停止させられるのか?それができても戦闘機にジャンボ機ごと撃墜されるのではないか?とハラハラドキドキしどうしで、一切ダレません
唯一冒頭のセスナ機の教習シーンはだるいですがこれはお約束の伏線です
アクション映画を観まくってる方ならこれはもうどんなシーンがあるか察してしまいます
ラストはグラント博士に特殊部隊のメンバーが英雄だと言って敬礼を向けて終わります
不満は一つだけ
なんでえ、結局本社のインテリがヒーローかよ!という後味です
スーパーマンの隊長はいきなりやられるし、本社のインテリは現場じゃ役立たずだし、
結局一番下っ端の特殊部隊のメンバーそれぞれが特技を発揮してチームワークで不可能を可能にしたのだという展開になって、大統領が君のお陰だと言うとグラント博士が首を振って特殊部隊のメンバーに敬礼するという終わり方だったなら名作になったかもと残念に思いました
蛇足
特殊作戦機は元祖ステルス戦闘機F-117の形をしていますが、そんな荒唐無稽な機能なぞ有るわけ有りません、ソックリなだけです

