「恋を諦め永遠のものにする結婚」エイジ・オブ・イノセンス 汚れなき情事 talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
恋を諦め永遠のものにする結婚
ニューヨークなのに英国貴族の猿真似社会。「アメリカは自由な国でしょう?」とエレンに皮肉を言わせるほど閉鎖的で噂好きで知らないふりして仲間外れをする世界。歌劇場客席からオペラグラスで覗くのは舞台でなくてボックス席。
全知の語り手のナレーションによって観客は本を読んでいる気持ちになり、3人の登場人物の台詞はぎりぎりまで削ぎ落とされる。オペラ、豪奢な衣装の舞踏会に晩餐会、戸外での様子はマネやルノアールの世界だった。
エレン、メイ、ニューランド、それぞれが自分の為、相手の為に耐え感づき沈黙する。エレンの後ろから肩を抱いて "When can I see you?" と声を絞り出すニューランド(ダニエル・デイ=ルイス)、やっと出会えた馬車の中で自分とエレンの手袋をゆっくり脱がし手を握りしめようとする箇所、背中を向けて海を眺めるエレンを抱きしめる自分を妄想するシーンの三つがとりわけ心に刺さった。鈴蘭の花のようなメイは苦しみながら婚約者と従姉妹と自分を救った。スコセッシがこのような繊細で美しい映画を作るとは!見てよかった。
おまけ
どんな衣装も完璧に着こなし完全に自分のものとし、時にはエレガント、時には情熱的なダニエル・ディ=ルイスに参りました!婚約者に毎日鈴蘭を届けさせていた彼が、黄色い薔薇にふと目をやってエレンに贈ることにする、自分の名前無しで。それが一番の大きなメッセージだー!失神するほど素敵💕
この作品のようにtalismanさんのレビューが美しいです!
私は退屈な作品と思ってしまいましたが、読ませて頂いてこの作品の良さが伝わってきました。
単純に観るだけじゃなくて、そのワンシーンから自分で感じとる作品ですね。
やはり私の映画力が不足でした笑
ダニエルの手袋...のシーン、なるほどです。
ダニエル、イケメンさんですねー。
役にピッタリでした。