運動靴と赤い金魚のレビュー・感想・評価
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3等になって、お前に靴をやる
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映画「運動靴と赤い金魚」(マジッド・マジディ監督)から。
「製作国・イラン」と知って、好奇心旺盛の私は、
右から左へ書く「ペルシャ語」(?)に目を奪われながら、
家族愛・親子愛に代表されるアガペーと呼ばれる「無償の愛」を
兄妹愛にも感じ、幸せな気分を味わうことが出来た作品である。
貧しい生活の中にも、なぜか温かい優しさが溢れ、
鑑賞後、日本にもこんな時代があったのだろうか、とメモした私。
この作品を思い出すには「3等になって、お前に靴をやる」と、
妹に約束する兄の台詞で充分である。
(もちろん、邦題の「運動靴と赤い金魚」でも思い出せるが・・)
物語を文字にすると、ものすごく薄っぺらな感じになりそうなので、
今回の作品ほど、観て何かを感じて欲しい、と思うことはない。
ラストシーン、疲れ果ててボロボロになった足を、
家の前の池に入れて、その周りを金魚が・・
この解釈も、たぶん鑑賞者にまかされているのだろう。
お父さんが買ってきた、兄妹別々の2足の新しい靴。
渡された時の、2人の満面の笑顔が目に浮かぶからこそ、
この映画監督の優しさが際立ってくる。
アクション映画ばかり観ないで、たまにはこんな作品を観て欲しい。
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