「人間って面倒臭いもの」海辺のポーリーヌ 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
人間って面倒臭いもの
ひと夏の男女の色恋沙汰ということで、一見よくありがちだけれど、実はよく練られていて充実していた。
主な登場人物は男女4人で、シルバンとキャンディ売りを入れると6人。
この組み合わせの中身がまず、ふつうじゃない。
男の方も女の方も、年齢が飛んでいて、しかも異性との付き合い方や生活スタイルも、男として女としての魅力も、皆それぞれ違う。
グループで一緒に行動することはあり得ない面々。
ところが、各々の思わくから、一緒に時を過ごし関わり合いを持つことに。
そのため似たような人間同士ならば起きにくい摩擦が生じ、失恋や喧嘩、議論などが起こり、そこが見所に。凝った作り。
でてくる言動にわたし的にあれこれ思うことはあるけれど、最後までみて思うのは、「やっぱり人間って厄介なものだわ〜」ということ。
たとえば…
ピエールは頭もよく正論を言う。そして、「なぜ自分を正しい方向にもっていく道をわざわざ拒否するのか」とマリオンに言う。でも、マリオンは、それがわかっていても、「自分と違うものを求めるの」と言い、同じような失敗を繰り返す。安定と同時に不安定を求めるのだから仕方がない。ピエールとて、派手で落ち着きのないマリオンに執着している点が矛盾しているじゃない。
私自身も、ピエールは素敵だけれど、何故かやはり彼を選ばないかも、などと思ったりする。
やはり人間は面倒臭い…。
でもそれなりに必死だ。
そんな人間たちはちょっと可愛いくもある。と思わせてくれた映画だった。
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