動く標的のレビュー・感想・評価
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ハーパー
現代は主人公(ポール・ニューマン)の名前。
うーん、こっちの方がしっくりくる。
ポール・ニューマンの作品は「傷だらけの栄光」「ハスラー」「暴力脱獄」と名作が多いのですが「動く標的」に関しては彼が拳銃を構えるショットのみ拝見した程度です。劇場でのリバイバル上映は、おろかTVでの放送は皆無でしたが今回ようやくフィルムで観る事ができました。退色はしていますが撮影監督コンラッド・L・ホールの画面はメリハリがきいているで、そんなに気にはならなかったです。
今まで刑事物だと思っていましたが探偵物だったんですね。伝説のTVドラマ「探偵物語(松田優作主演)」は通説にはアルトマン「ロンググッドバイ」からの影響といわれますが「動くく・・・」の方がより近い気がします。オープニングがビルの1角にあるハーパーの事務所で始まり出がらしのコーヒーを不味そうに飲む。愛車はベスパではないですがワーゲンのような丸っこい車。自分の車が尋問中の女に盗られ別の車で追っかけるシーンのセリフは“あぁ、すぐに追いつけるよ。僕の車はポンコツだからね”
探偵映画の十八番であるお金持ちの依頼主の家に招かれる(門から家まで車で何分かかるねん!?)スターリング・ヘイドンのような家主かと思いきやローレン・バコールなのは意外でした。行方不明の主人を捜索してほしい。
そんな事はよそに娘は遊び呆けてるのは金持ちあるある。その旦那か彼氏がロバート・ワグナー。
あと自分よりでかい敵が現れたり地元警察が絡んだりするのは、まるでジャック・リーチャーではないか。
まぁ、ぶっちゃけこの映画ヒットせずに長らくお蔵入りだったのが推測されます。探偵物て刑事物に比べると派手なカーチェイス(ブリット)や銃撃戦(ダーティハリー)も無いですし。ハードボイルド探偵小説が好きな人は来てくださいねというスタンス。
ある評論家がホークス「三つ数えろ」を絶賛しており観に行きましたが私にはよく分かりませんでした。(今観ると違った見方ができるかもしれませんが)探偵映画はいい画が撮れれば、それでよし。オチなし。何となく終わる。
今回もそんな感じかなと思いきや、なかなか斬新な終わり方でした。ジョージ・ロイ・ヒル「明日に向かって撃て」を先取りするストップ画面エンディング。私的には面白かったです。
ポール・ニューマン主演
ハーパーの魅力に尽きる
遅い展開
一番カッコよいニューマン君
平凡以下の古いハードボイルド作品
総合60点 ( ストーリー:60点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:65点|音楽:65点 )
貧乏で家庭も壊れていてしがない探偵稼業だが、事件の捜査でそのたくましさを見せる男をポール・ニューマンが演じる。このような駄目男だが危険に立ち向かう強い人物像を活躍させるという形式をこの時代に作り上げたというのは目新しかったのだろうか。今となってはありふれた形式で見慣れたものだが、犯罪の謎解きも行き当たりばったりで緻密性がないし、物語も演出も少々古くてそれほど面白いとは思えなかった。誘拐された富豪が山を寄付したのが不法移民の隠し場所になっていることや、そのことと犯人たちとの関係も説明がなくてわかりづらい。せっかくの車を使った活劇場面も合成なことがわかるのは失望する。
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