「武士(ガンマン)は喰わねど高楊枝」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
武士(ガンマン)は喰わねど高楊枝
なんと言ってもこの映画はオープニングの味。
ハーモニカはC調ではない。
変な不協和音。
表情を変えないCブロンソンの渋いこと。
黒人俳優の始祖、ウディ・ストロードがドゥエイン・ジョンソン(ロック様)そっくり。
ハーモニカ(Cブロンソン)はなぜ500ドルでフランク(Hフォード)を裏切った手下たちの動きがわかったのか?
ジル(Cカルディナーレ)はなぜフランクの女にならないで土地を競売にかけたのか?
シャイアン(Jロバーズ)がなぜハーモニカに素直に従って5000ドルの懸賞かかった身を差し出したのか?
切符を買ってユタの監獄に送られる列車からシャイアンを助ける仲間二人。人望がありすぎるおたずね者のシャイアン。
鉄道王モートンに油断して脇腹を撃たれたシャイアン。いつからずっと我慢していたのか?そしていつ死を覚悟したのか?なぜ、ハーモニカを追ってジルのもとを去るのか?
シャイアンの手下たちたちはそのあとどこに行ったのか?
駅を建設している男たちはジルに雇われて働いているのか?その金はどこから出たのか?シャイアンに言われたとおり、人足達に飲み物を振る舞うジル。ハーモニカがフランクを倒して帰って来たときに嬉しそうに微笑んだジルはなぜ去って行くハーモニカになにも言わないのか?
???すぎる。
ジル、ハーモニカ、シャイアンの3人のニヒルな矜持が爽やかすぎるマカロニウエスタン。
アメリカでの興行はおそろしく振るわなかったらしい。その理由は金に現実的なアメリカ人の心に響かなかったからなのか?公民権運動が激しくなって来た時代にアメリカ人は西部開拓史を振り返る余裕もなかったのか?
やはり、エンリコ·モリコーネのどことなくリンゴ追分的なテーマ音楽とマカロニウエスタンのニヒリズムは黒澤映画や時代劇の影響を感じざるを得ない😎