「一度はスクリーンで体感したい傑作。その鑑賞体験がきっと財産となるはずだから」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
一度はスクリーンで体感したい傑作。その鑑賞体験がきっと財産となるはずだから
巨匠レオーネがハリウッドで撮った本作は、当時すでに斜陽となっていた西部劇そのものへの想いを綴った映画とも言われる。アルジェントやベルトルッチが原案に加わっているだけあり、そこには過ぎ去りし時代、そこに遺された多くの名作への感謝の念すら刻まれているかのようだ。
冒頭、列車到着を待つ数分間からすでに圧倒的だ。静かに、コミカルに、そして詩情たっぷりに描き尽くすこのシークエンスに、これまでレオーネ作品を、いや西部劇そのものを観たことのない人であっても、瞬時に魅了されてやまないはず。ブロンソンがハーモニカの音色とともに存在感を見せつけ、フォンダが絶妙な悪役ぶりを刻み、またカルディナーレが荒野に立つ女性の生き様を見事に体現。壮大なクライマックスには心のパノラマがぐっと開けていく感動を覚える。映画史に残る傑作であると同時に、できれば人生で何度もスクリーンで体感しておきたい、そうするにふさわしい一作だ。
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