劇場公開日 1994年3月26日

ヴィトゲンシュタインのレビュー・感想・評価

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1.5天才の魂降臨せず

2008年10月10日

知的

難しい

寝られる

ヴィトゲンシュタインとは、ユダヤ系オーストリア人で20世紀前半に活躍した「超」天才哲学者です。わたくしは学生の頃に彼の哲学と出会い、それはも~すさまじい影響を受けました。人によっては彼を20世紀最高の哲学者、さらに人によっては哲学史上最高の哲学者と評しています。ちなみに、わたくしにとっては、言葉という媒体を使って何かを表現した人として、それまで読んできた中で、最高かつ最上です。

本作は、そんな彼の生い立ちから、第一次世界大戦の戦地、オーストリアの田舎町での小学校の教師時代から、庭師、そしてケンブリッジ、第二次世界大戦、晩年と、文字通りその数奇な生涯を、舞台演劇のような設定で描いています。

映画として彼の生涯を描くわけですから、やはりその難解な思想を説明するのは不可能。というわけで、ある程度万人向けに本作は、彼の思想をうまく端折ながら人としてのヴィトゲンシュタインを描いてます。そうするのは仕方ないことですが、彼の人間性を描くにはとても中途半端だったというのが正直な感想。そして、その中途半端さが、逆に端折った彼の思想の解説の中途半端さも際立せているような気がしました。

正直、彼の事を知らない人が観たら寝てしまうと思います。

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あんゆ~る