ウィークエンド(1976)
劇場公開日:1977年1月15日
解説
生命の危険と恐怖に追いつめられた一人の若い女が、それを脱出する過程を描くバイオレンス・ロマン。バルセロナ・シトジェス国際映画祭最優秀女優賞・脚本賞・特別批評家賞受賞作品。製作はアイヴァン・ライトマン、監督・脚本は11個の各国映画祭受賞したウィリアム・フリュエ、撮影はロバート・サッド、音楽監修はアイヴァン・ライトマンが各々担当。出演はブレンダ・ヴァッカロ、ドン・ストロード、チャック・シャマタ、ドン・グランベリー、リチャード・アイルズなど。
1976年製作/カナダ
原題または英題:Death Weekend
配給:松竹=富士映画
劇場公開日:1977年1月15日
ストーリー
南オンタリオの美しい朝。一見プレイボーイ風のハリー(チャック・シャマタ)は彼のスポーツカーに魅惑的なファッション・モデルのダイアン(ブレンダ・ヴァッカロ)を、同乗させていた。目的地は彼の別荘、素晴らしい週末の始まりだ。途中でハリーはダイアンと運転を替った。得意のハンドルさばきの彼女、その浮かれた心につけ込むように、突然一台の真赤なマシンが追跡を開始した。ちんぴらのレプ(ドン・ストロード)達だ。卑猥な言葉でダイアン達をからかうが、彼女の巧妙なハンドルさばきで彼らの車は川に落ちてしまう。こんなほんの週末の危険な余興の後、静かな湖畔にたたずむハリーの別荘に二人はいた。華麗な夢のような所。しかしハリーが本性を現わした時、ダイアンは愛想をつかし、帰り仕度を始める。片時でもゲスな男に心を許した事を後悔し、心沈む彼女に、突如男の手が顔をおおう。彼らだ。レースに敗れたレプら四人の男達。こうして、兎をじらす狼達の週末が始まった。すっかり居坐ったレプ達にとって、オロオロするダイアンとハリーは、退屈な週末を回避する絶好の餌となった。酒、モーターボート、そして女としだいに彼らは狂暴な野獣性を暴露して行く。ダイアンの抵抗すら彼達にとっては楽しみなのだ。ただ、ハリーの鼻持ちならぬスノビズムには我慢出来ず、彼の自慢の物を次々に破壊し、ついにはハリーのショット・ガンをも奪い、ハリーを威嚇して喜ぶレプ達。兎のように逃げまどうハリー。悪ふざけは死の匂いと共に更にエスカレート。「気狂い!」と叫んだハリーの背にレプの止めの一撃。もはや野獣と化したレプとその仲間。彼らにはやけにダイアンの甘い肉体がちらつく。最初に選ばれた仲間のラント(リチャード・アイルズ)は、彼女を寝室に連れ込み口紅を塗りたくる。カミソリをもて遊ぶ男、明らかに精神異常者だ。窓の外には彼女の恐怖を薄ら笑うように森と湖が沈欝にたたずんでいる。ダイアンはもはや彼らを殺す以外生き残る道はない事を悟った。四人の獣を相手に彼女の果てしない自由への凄惨な闘いが今始まろうとしているのだ--。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・フリュエ
- 脚本
- ウィリアム・フリュエ
- 製作
- アイバン・ライトマン
- 撮影
- ロバート・サッド
- 音楽監修
- アイバン・ライトマン
- 字幕監修
- 清水俊二