「ご冥福をお祈りいたします」イル・ポスティーノ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ご冥福をお祈りいたします
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イル・ポスティーノ(il postino)はイタリア語で「郵便配達人」、主人公の島の青年マリオ(マッシモ・トロイージ)の職業ですね。
1950年代のイタリアの小島にチリの詩人パブロ・ネルーダ夫婦が疎開、彼に多くのファンレターを届けるのがマリオです。
詩人パブロ・ネルーダは、1971年にノーベル文学賞を受賞した実在のチリの詩人で一時祖国を追われナポリ湾のカプリ島に身を寄せていたそうです。ただし、マリオとのエピソードはアントニオ・スカルメタの小説でフィクションです。
パブロの人柄に惹かれたマリオは彼の詩集を熱心に読み、詩心を学びます。師弟関係の二人は次第に友情で結ばれてゆきます。心優しい詩人と向学心に富んだ善良な青年に美しい島と心洗われるような美作でした。
ただ、一目ぼれの島の食堂で働くベアトリーチェとも結ばれ息子を授かったマリオは集会の暴動騒ぎで命を落としたようで残念。驚いたのはマリオ役で共同監督、脚本のマッシモ・トロイージさんも心臓病を患っており撮影終了からわずか12時間後に41歳の若さで夭逝、これが遺作となったそうです、ご冥福をお祈りいたします。
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