「涙が止まらない・・・」イル・ポスティーノ kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
涙が止まらない・・・
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まずは地中海に面した島の風光明媚なところに心奪われる。漁業メインの小島。水道すら引いてなく、月1回くる給水船が頼り。そんな静かな村だから若者も少ないのだろうか・・・
映画館のニュースで見たパブロ・ネルーダ。彼が女性に人気だということも気になるマリオは憧れてしまう。パブロも共産党員、郵便局長も共産党員、いつしかマリオも共産党を名乗っているほどだけど、政治色はほとんどない。
一軒だけの郵便配達。週に1回映画が観れる程度の給料じゃ大変だろうに・・・と思いつつも、毎日配達し、詩について学んだことはかけがいのない財産。隠喩という言葉がそのままコミカルに使われているところも面白い。
島で一番美しいのは・・・ベアトリーチェ・ルッソ!君の笑顔は蝶のように広がる。印象に残る台詞ば多いけど、映画全体に渡ってそのまま詩だったようにも感じてしまう。
マリオとベアトリーチェの結婚後、島を去ったパブロ。どの記事を読んでも島の人のことに触れてない。寂しい思いもあったけど、第二の故郷のように感じていたことは間違いないのだろう。
残された録音されたマリオの詩。そして、自然をそのまま音で表現しようと集めた苦労も伝わってくる・・・個人的な思い出もあるし、なぜかこのエピソードが一番好きだ。
エンドロールに亡きマッシモに捧ぐ・・・などと書かれると涙が止まらなくなる。病気に蝕まれながらも製作にこぎつけたという執念はすごい。
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