田舎司祭の日記のレビュー・感想・評価
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酔いどれ天使
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ロベール・ブレッソンの映画で未見だった一本。
司祭が綴る日記がヴォイスオーヴァーで流れ、ページをめくるように溶暗が入る。
聖職を扱った作品というと、逆説的に性的な不祥事を予想してしまうが、そこはあくまでジャン=ピエール・メルヴィルの「モラン神父」のようにストイックである(一部微妙な箇所もあるが、ブレッソンは省略が多いので定かではない)。ただ、モラン神父が徹底して自己を律しているのに対して、この主人公は胃痛とアルコール依存もあってひたすら煩悶し自滅への道をたどる。
原作者のベルナノスはカトリック作家ということだが、この司祭を肯定的に描いているのだろうか?領主一家の家庭崩壊、シャンタルやセラフィータの役割など複層的な要素があり、どうも判然としない。この司祭が村に善行を施したとも思えず、ただやるせない気分だけが残る。
この映画は私が見たブレッソンの作品の中では最も初期のものだ。そのスタイルは遺作の「ラルジャン」で孤高の高みに達する。
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美しい魂の昇華
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素晴らしい内容の映画だ。流石に見応えがある。最後の台詞に全てが集約される。「それがどうした?全てが聖寵だ。」これだけの映画は昨今お目に掛かったことがない。今年、一番の収穫だ。
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