イーストウィックの魔女たちのレビュー・感想・評価
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びっくりした
女は世界の奴隷か…? さてはこの映画を観たなティム・バートン!
保守的な雰囲気を持つ田舎街「イーストウィック」を舞台に、3人のやもめの美女とNYから来たという謎の男デイルが引き起こす騒動を描いたホラー・コメディ。
監督は『マッドマックス』シリーズや『トワイライトゾーン/超次元の体験』の、名匠ジョージ・ミラー。
謎の男、デイル・バン・ホーンを演じるのは『カッコーの巣の上で』『シャイニング』の、レジェンド俳優ジャック・ニコルソン。
3人の美女の1人である子沢山なジャーナリスト、スーキー・リッジモントを演じるのは『スカーフェイス』の、名優ミシェル・ファイファー。
音楽は『スター・ウォーズ』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズの、巨匠ジョン・ウィリアムズ。
舞台となるイーストウィック(Eastwick)はエデンの園(Eastward)のもじりなのだろう。アダムとイブは蛇(サタン)に唆されて楽園を追放されるが、本作ではアダムと蛇を同一のものとして扱っているのが面白いところ。抑圧する男性と支配を受ける女性という構図をカリカチュアして描き出す、フェミニズム映画としての側面も持つ作品である。
いやしかし、『デッド・カーム/戦慄の航海』(1988)から『マッドマックス:フュリオサ』(2024)まで、ジョージ・ミラーのフェミニズム的姿勢は一貫してる。一本筋が通った立派な監督だよジョージは。
また、30代半ばのバツイチ子持ち女性の性生活という、非常にデリケートな問題を描いている。しかもそれだけにとどまらず、「女」から「母親」への変化と、それに伴うパートナーとの関係性の変化をブラック・コメディとして描いているところも興味深い。
妊娠・出産により否でも応でも変化を強いられる女性に対し、男性はその様な身体的な変化は起こらない。その事により生じるズレというのは多かれ少なかれどの家庭にもあるのではないだろうか。家庭を顧みない旦那、そんな旦那を粗大ゴミのように扱う奥さん…。これぞ正に負のスパイラルという奴っすね。
なんだかんだと考えさせられる作品ではあるが、正直かなり冗長で退屈。クライマックスは盛り上がるのだが、それまでは結構ダラダラしているので、2時間に及ぶ鑑賞はかなりツライものがある…。
クソほど気まずいテニス対決とか、あまりに容赦ない五寸釘攻撃とか、めっちゃ好きなシーンはあるんだけど総合的にはつまらない映画だと思います。
とはいえ、ジャック・ニコルソン先生のぶっ飛んだ演技は最高✨もうニコルソンが画面に映るだけで爆笑してしまう!後半の虐待シークエンスは腹を抱えて笑いました🤣
そして主演女優にこの3人をキャスティングという趣味の良さが素敵❤️
エキゾチックな雰囲気を持つ、黒髪のシェール。
真面目そうなんだけどエロチックな雰囲気を持つ、赤毛のスーザン・サランドン。
まさにセックスシンボルという雰囲気の、ブロンドヘアのミシェル・ファイファー。
キャラクターの性格的にもビジュアル的にもバランスが最高!彼女たちが並ぶだけでとにかく絵になる♪
3人とも、後にビッグタイトルを獲得しまくる大女優に成長する。彼女たちの若きアンサンブルを堪能できるという意味では、鑑賞の価値ありまくりの1作だと言えますね。
余談だが、本作のニコルソンはどこからどう見てもジョーカーにしか見えない🃏
スーキーが呪いに苦しむ場面でジョーカーのイラストが意味ありげに映し出されていたのを見て、あっやっぱりティム・バートン版『バットマン』(1989)を意識してんだな!と思ったのだが、確認してみると本作は『バットマン』よりも制作年が古かった。つまり、本作がジョーカーのキャスティングに影響を及ぼしたという事なのか。
何にせよ、これを観てジャック・ニコルソンってつくづくジョーカーにハマり役だよなぁ…と改めて思いました。
ついでにもう一つ。
ジョーカーに魅了される美女といえば、ハーレイ・クインことハーリーン・クインゼル。彼女はテレビアニメ版『バットマン』が初出なのだが、この作品が放送されるのは本作の5年後(1992-1995)。本作公開時にはまだハーレイは生まれていなかったのだ。
デイルが言葉巧みに洗脳していくやり口なんて、完全にジョーカーがハーレイに行ったそれと一緒。もしかしたら、本作はハーレイ・クインというキャラクターの誕生に一役買った…のかも?
ペテン師
食事中には観ないでください!
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