「【”白髪の美しき老婦人は若き劇作家の僕に金時計を渡し“帰って来て”と言って消えた。”今作はSF作家ジャック・フィニィへの敬意に満ちたファンタスティックタイムトリップラヴストーリーの逸品である。】」ある日どこかで NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”白髪の美しき老婦人は若き劇作家の僕に金時計を渡し“帰って来て”と言って消えた。”今作はSF作家ジャック・フィニィへの敬意に満ちたファンタスティックタイムトリップラヴストーリーの逸品である。】
■1972年。若手劇作家・リチャード・コリアー(クリストファー・リーヴ)は母校ミルフォード大学で初演を迎える。
そこに老婦人が現れ、リチャードに金時計を手渡し、「帰ってきて」という謎の言葉を残し去っていく。
数年後、リチャードはグランド・ホテルの416号室に掲げられた1枚の美しい女性の肖像画に心を奪われる。
そして、彼はその肖像画の人物を図書館で調べ始めると、彼女は1912年にグランド・ホテルに泊まっていた新進舞台女優エリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)という人だと分かる。
リチャードはエリーズ・マッケナへの思いを断ちがたく、1912年へタイムトラベルするべく、トライするのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・作品構成、劇伴の優雅な美しさ、舞台女優エリーズ・マッケナを演じたジェーン・シーモアの、気分溢れる美しさとチャーミングさ、若手劇作家・リチャード・コリアーを演じたクリストファー・リーヴの、男らしい魅力ともほぼパーフェクトに近い作品だと思う。
・そして、劇中にJ・フィニィ博士の「時の流れを越えて」という本が映され、リチャード・コリアーがそれをヒントに、1912年のグランド・ホテルにタイム・トリップするシーンなど、今作はリチャード・マシスンが自身の原作を脚色したモノであるが、彼自身がSF作家で多くのタイムトラベルの秀作を残したジャック・フィニィへの敬意を込めた作品だと思う。ジャック・フィニィの作品は、文庫で数作読んだが、どこかノスタルジックに溢れ、且つ物悲しいモノが多かった記憶があるが、今作は見事にそのテイストを映像化していると思う。
・リチャードとエリーズ・マッケナが、60年の時を越えて出会い、エリーズの未来が読める不思議なマネージャー、ロビンソン(クリストファー・プラマー)の妨害に遭いながらも、逢瀬を重ねていくシーンは実に美しい。
<そして、ラストの悲劇的な結末も、この物語に強烈な余韻を残すのである。今作はSF作家ジャック・フィニィへの敬意に満ちたファンタスティックタイムトリップラヴストーリーなのである。逸品であろう。>
アーサーズ・ウイスキーに共感どうもです。
「ある日どこかで」は、私の生涯ベストで2位に入れているくらい好きな作品です。ロケ地のグランドホテルには今でもファンが訪れるらしいですよ。レビューは書いてないので返信は不要です。