ある愛の詩のレビュー・感想・評価
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言わずもがなの不朽の名作。 冒頭からネタバレで涙を誘う、卑怯やん。...
言わずもがなの不朽の名作。
冒頭からネタバレで涙を誘う、卑怯やん。
しかしアリ・マッグロー演じるジェニファーが生意気だ、個人的にどうも合わない。裕福な親に反発しまくる男の方にもなんとなく違和感。
思うにこれは若かりし時に見なければならない作品。そうすりゃ主人公たちに感情移入できたろうと思う。
しかし、こちとりゃもはや二人の親世代に近い。それゆえ、この二人のちょっとした部分がどうにも鼻についてしまうのだろう。
この作品、なんといっても音楽が素晴らしい、まさしく名曲です。あと、愛とは決して後悔しないこと、名訳ですね。
続編があるようですね、見たいような、見たくないような。
愛を貫く二人
王道の悲恋物語。原題も直球 "Love Story"
父親に反発する名家の息子Oliverと、言葉使いは本当に汚いけど頭が良く才能のある娘Jennyとの恋愛。
父親が反対する学生結婚の為に、勘当され資金援助を受けられなくなるOliver。結婚の為に、パリ留学もピアニストとしての将来も捨て、Oliverの学費を稼ぐJenny。お互いを最優先することに迷いは見られないし、それこそ "Love is/means never having to say you're sorry." なんだと思いました。
古臭さはあまり感じず、本当に愛し合っているんだなぁというのがひしひしと伝わって来る作品でした。最愛のJennyを失うと知ってからの蒼ざめたOliverが、Jennyより顔色が悪い(^_^;)。
美しい旋律のサントラ。車のクラクションと合わせるなど、意外なアレンジも素敵で効果的でした。
Tom Lee Jones名義で出演している若き日のBOSSも見れます(^^)。
ジェニーの会話からわかること
総合75点 ( ストーリー:70点|キャスト:80点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:80点 )
ありがちなお約束的な物語である。しかし純愛である。ジェニーの勝気でいて冴えた速い会話が魅力。
時代はまだハーバード大学が男子校で、ハーバード大学の女子部とも言えるラドクリフ大学と合併して共学化する前の学生運動が盛んだった頃。貧乏な女子学生ジェニーが学費の足しにと図書館で働いている時に、お金持ちの御曹司オリバーと出会うところから始まる。
ジェニーは強くて頭の回転が速い。自分を誘わないから有名私立高校に行ったような金持ち(preppy)は馬鹿だと言い切る。
Jennifer: I'm smart and poor.
Oliver: What makes you so smart?
Jennifer: I wouldn't go for coffee with you.
Oliver: Yeah well I wouldn't ask you.
Jennifer: Well, that's what makes you stupid.
こんな会話の返しが劇中に散りばめられている。他にも試合で顔に怪我をしたオリバーを見て、怪我をしてお気の毒とも大丈夫かとも言わない代わりに、相手をもっとやっつけたのかと聞く。ジェニーの言葉はオリバーの想定の上を行く。
Jennifer: What happened to you? You look terrible.
Oliver: I'm injured.
Jennifer: Did you at least make the other guy look worse?
ジェニーは家の格の違いからオリバーに言われる前に別れを切り出す。しかしオリバーが本気であることを悟ると、苦労して掴んだ憧れていたパリ留学の道を自分がその世界で一流になるには才能不足であることを認識していてあっさりと捨て、彼を支える道を選ぶ。夢を見るのではなく現実を見て判断をするだけの明晰さがある。
しかしそんな彼女が残り少ない余命の中でオリバーと貴重な時を過ごすスケート場で、次はどこに行くかと聞かれ、ただ病院へとだけ答える。ああ、もうジェニーには何か気のきいたことを言える力が残っていないんだとわかる。
Jennifer: Could we afford a taxi?
Oliver: Sure. Where do you want to go?
Jennifer: The hospital.
雪の中を支えあいながら歩く2人。フランシス・レイの旋律が切なく美しい。
ちなみにオリバーは父親のことをDaddyとは言わず、SirとかFatherと格式ばった呼び方をする。ジェニーは父親をフィルと名前で呼ぶ。これでも家庭環境の違いがわかる。
そして有名な科白、「愛とは決して後悔しないこと」はLove means never having to say you're sorryである。
永遠
1970年という時代のアメリカ。カトリックの女性なのに婚前交渉してしまいながら、それへの批判が通り過ごされてしまうという欠陥の始まりの頃であるが、それをNHKBSプレミアムで古典的映画として出してしまっているのが日本の現在である。揺らぎ崩れる兆しの映画である。女性のほうが死んでしまうが神からの罰という捉え方を今こそすべきかも知れない。だが神はひどい仕打ちを人に与えない。許すものであるとも考えられてしまう方向性がある。だがそれではどこまでも人間は自由という名の破壊を求めて快楽と肉欲に狂わされる。ドラッグとフリーセックスの危険性はそこにある。
気の利いた生意気なセリフの女性がかっこいいなどと思われてしまった1970年頃から半世紀が経過する中で、ますますそれはひどくなっていった。そして日本の現在は、週刊誌が暴露しなければ隠れて、不倫や乱交が政治家や著名人に代表されるように途切れる事がない。かなりの日本人はその罪は恥に対して不感症になってしまっている。しかしこの映画では婚前交渉はしたが、結婚をしようと決めていたと思う。そこは揺らぎの始まりの時代の中でも良心はまだ残っていたかも知れない。この映画が訴えたかったのは身分の違う男女というテーマだったのだろうが、婚前交渉とカトリックの親の身分による反対などが貞操観と矛盾してしまう。最近では、EXILEの一人と武井咲の婚前妊娠が批判を受けた。そういう矛盾が、婚前交渉には生ずる。援助交際から不倫まで、フリーセックスしまくった社会からの混乱である。政治家と弁護士でさえ不倫を暴露されたのだから、文部科学省が性教育に乗り出す事は無い。このように美しいとされた映画も反転してしまうのである。この映画は悲劇だと言うところで後世まで救われている面を残してはいる。この映画では、婚前交渉はしたものの、結婚しようと裕福な家から、父と喧嘩して勘当されても結婚しようとしている。
それは残された救いになっている。覚悟はある男のほうの主人公だった。だがそこで、父親側を家側を悪者に見せてしまうような傾向が社会を壊していった。映画でも翻訳で、「父親をからかうな」という戒めのセリフを女のほうの主人公に語らせている。女のほうの父親はものわかりいい男だった。
娘への愛情もあり、男も女の家庭を訪問する場面がある。男女はどちらも神を信じていないと言ってしまった。1970年そういう時代の始まりだった。そして女の父親は優し過ぎた。カトリックなのにそれを容認してしまった。疑問の問いを出したが、女は法的な結婚だと答えた。そして離婚が急増した。現在の日本は神どころか、法までも気にしなくなっている。だがこの映画では神様と向かい合わない結婚でありながら、宗教的な宣言を男女でしている。それを魂と言っているが。実は宗教的だった。倫理的な宣言をした。婚前交渉はしたが、それでも結婚をした。覚悟は通した。ここに過渡期が見える。それから悪い方へ向かってしまった。日本でも昭和45年。フォークソングの『神田川』など、日米で似たような状況の始まりだった。ほとんど文化的に日米は同じ歩みをしている。
私も不完全な思索だから、この男女が結婚してしまった後は夫婦の話としてみるので、二人の関係は、安心して観る事になる。口論しながらも愛し合っていた二人だ。かなり耳にした音楽が時折流れて添えられる。問題が、金持ちの父から勘当されての貧乏な二人の生活と口論にテーマが入る。妻は夫である息子を愛している父親なのだと諭そうとする。細かい事だが、翻訳では電話番号に××が入っていたと思うが、セリフでは数字を言っていたような気がした。意味があるのか。ただ、父親と確執を続ける男は意気地はあったとは思う。ただそうして苦しい生活や男女の口論が生じるのも、個人主義の強さが神のような宗教的なバランスを押しのけてしまったところから来たのがあるのかも知れない。「鍵を忘れたの」。そして決め台詞なのだろうが、「愛とは後悔しないこと」と女が言う。クリスマスのシーンにしてもキリスト教の影響は入っている映画である。1970年製作。結婚は神を介さずにしたのに、後で女が子どもたちに聖歌を教えているシーンがある。このずれが現在の社会的悲劇に繋がっていったのではないか。この映画は結婚前から結婚に至る過程と結婚の方式に揺れが生じてしまっているのを示している。結婚後は仲良し夫婦で幸せな時期もある。むしろ逞しい男になっている。ではなぜ結婚前を揺らがせてしまったのか。一方で、結婚までは順調で、結婚後に不倫からの悲劇というドラマもある。この映画は死別なのだから悪い別れではない。悲しい別れである。離婚は別れたくて別れたいというような安物の喜劇にしかならない。悲しみも無い。
その後、離別が悲しいなどという噓をまかり通していった。欲しければどうしても別れるわけがない。
隠れて不倫しているようなのが共謀して離婚を隠れながら画策して行く。この映画はそれは無い。
子どもが欲しくて医師に診てもらうと、妻の側の不妊だと告げられ、では養子をとると言った後に、妻の不治の病を告げられる。男の辛い気持ち。夫婦後はこの映画は崇高なものになり続ける。僕にできることはと問うと、医師は、「普通に振る舞う事だ」と応じる。閲覧者側は妻の死の過程を想像しながら観ているから、男女の何気ないセリフの一つ一つが悲しく感じられる。この映画では最初からそれは告げられていたが、なぜなのか途中のその宣告後にそれが感じられるようになる。しかし妻は事情を知る。それでも気丈夫である。最初からそういう女だった。残される夫のほうを心配しさえする。夫婦後の病の宣告後は泣ける映画になってくる。結婚後は愛し合っていられた夫婦の高い価値の物語である。ただ婚姻前に性交渉してしまう過程が、1970年という時代に翻弄されている。そこで評価は星1つが減る。妻の治療がしたいために、確執していた大富豪の父親に会いに行く。なぜか父親に本当の事を話さず、大金を借りようとする。父親は追及せずに小切手で出してくれる。「感謝します」と息子は言う。根は善良な息子である。息子が出ていった後の父親の複雑な表情も観るべきところだ。結婚式は神を介さなかったが、葬儀はカトリックで良いのかと夫に尋ねる。実は宗教的な女だった。二人の泣きながらの会話となる。手ごわくいじらしい女だった。男女の永遠の別れの後に息子と義父の短い語り合いがあり、息子の父も駆けつける。そうした描写は、この映画は男とは何だろうかという事も同時に描いていた。そうでなければ、男女のシーンで終えるはずだった。いい女との別れは男にとって辛すぎる。そしてラストは始まりに戻る。
「愛とは決して後悔しないこと」
AFIの名セリフ13位に選ばれたこのセリフの意味を知りたくてこの映画を観た。
男の方は名家のエリートだがまだ若さがある一方、女のジェニーは苦学生ながらもとても利口な子で頭の回転が普通の男よりも非常に早くしっかりしている。
現実であれば、2人は結婚した後、電話シーンのようなことで少し揉めるようなことがあったとき「やっぱり結婚は早かっただろうか」と後悔するのだろうが、この映画ではそのセリフ通り問題があろうと現実を見据えて後悔しない考え方をしていたのが素晴らしかった。
セリフのセンスがとても良かった。
観るのがとてもつらいが、誠実で愛のある素晴らしいラブストーリーだった。
こういう誠実なラブストーリーは公開当時よりも今見てこそ価値があるものかもしれない。
純愛の元祖
「愛とは決して後悔しないこと」という副題が付けられていた映画。本当に愛するということがどんなものか、愛する者が先立つことがどれほどつらいか思い知らされる。フランシス・レイの音楽は最高でした。
「後悔しない」と「後悔したと言わない」
映画「ある愛の詩」(アーサー・ヒラー監督)から。
この名作のレビューは、ちょっと勇気がいる。(笑)
あまりに有名であるのと、鑑賞した時期・年齢によって、
感想がまるっきり違うからだ。
それは、映画「道」(フェデラー監督)の感想と似ている。
「えっ、こんなシーンあったっけ?」という呟きとともに、
若い頃に感じた感想とはまったく違った印象が残ったから。
この映画の有名な台詞(たぶん3回くらい繰り返された)
「Love means never having to say you’re sorry.」が、
「愛とは決して後悔しないこと」と訳すよりも、
「愛とは決して『後悔した』と言わないこと」と訳した方が、
この物語には、ぴったりあっているような気がした。
(先日、そんな話を耳にしたので、確かめたくて・・)
「パリや音楽を私から奪ったと思う?」
「私は平気よ、信じられないなら、死ぬ前に出てってよ」
「信じるよ、心から・・」「それでいいわ」
こんな会話をメモしていたからだろうか。
たとえ心の内では「後悔」していても、愛する人には
「後悔したと言わない」ことが、本当の愛だ、と感じる。
やっぱり「ラブ・ストーリー」、奥が深いな。
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