「ジェニーに約束するんじゃなかった 君のために強くなると・・・By ジェニー父」ある愛の詩 ♪エルトン シンさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェニーに約束するんじゃなかった 君のために強くなると・・・By ジェニー父
まだ果敢な青春時代に見た映画。久しぶりに見たら自分の青春時代が蘇った。
それほど「愛とは決して後悔しないもの」が流行になり、音楽とともに酔いしれたのを覚えている。
オープニングから流れるフランシス・レイの曲がいきなりもの悲しさを伝える。
途中何度もこの曲が流れるが同じ旋律の右手に対して左手の伴奏が違い、場面場面を彩る。伴奏によって物語がどんな風に進んでいくのかわかる。そして最後に雪の中の公園でたたずむオリバーの後ろ姿に流れる。
よくあるようなストーリーなのに音楽がさらにそれを膨張させている。
「泣かない方がおかしいんちゃう?」「泣かせにきてるやろ」と傍観者の立場なら思うだろうけれど感情移入して見ている自分はただただ自然に涙しているのである。
それは聡明なジェニーが対照的な最後を迎えるからかも知れない。
二人のウィットな会話が一杯あって素晴らしい。
ラドクリフ大学の図書館でふたりが出会うシーン。ジェニーが言います。
「あなたはバカな金持ちでしょ」
「実はね、僕は貧しいけど賢い男なんだ」
「私も貧しくて賢いのよ」
「どこが君は賢いんだ」
「あなたとお茶を飲まないから」
「君をお茶になんか誘わないけどね」
「だから、あなたはバカなのよ」
今にも死にそうなジェニーがベッドの中で
「静かに崖を落ちる思い、ソコはまだかと思うのよ」
わかるよとうなずくオリバーに
「落ちたことも無いくせに」
「落ちたさ、君に会ったとき」と返すオリバー。
早送りで再生して振り返りました。ほんの一部ですが二人のテンポの良い会話を聞いて欲しい。
そして以前、ジェニーが家から飛び出したとき、探しに行ったオリバー。家に鍵を掛けたものだから先に帰っていたジェニーは鍵を忘れて出て行ったので玄関前で震えてた。
そのときオリバーが謝ろうとしたときに
ジェニーが言った言葉が「愛とは決して後悔しないもの」
そしてラストシーン手前で父親にジェニーが死んだことを伝えたときに父親が謝ろうとしたときにオリバーが言った一言が
「愛とは決して後悔しないもの」
たった今、息を引き取ったジェニーが蘇ってくる。
ニューヨークのセントラル・パーク・スケート場で一人たたずむオリバーは何を思うのか・・・
素晴らしい音楽と共に視聴者は涙する。音楽の力ってすごい。
その昔、初めてサントラ盤を購入したことを思い出した。
何処にあるのか探してみようと思う。