劇場公開日 1963年2月14日

「砂漠の大地に刻まれた歴史の1ページ」アラビアのロレンス Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0砂漠の大地に刻まれた歴史の1ページ

2013年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波、CS/BS/ケーブル

難しい

総合:80点
ストーリー: 75
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 90
音楽: 80

 環境も文化も何もかも違う世界で、イギリスの国益のために命懸けで生きる。砂漠の中で砂嵐に合い、流砂の中に人が引きずり込まれる姿を目の前にし、部下が落伍し自らの生命を賭して救出に戻り、その救った者をまた自らの手で処刑する。広大な乾燥した大地の中において、人の生命も何もかもがちっぽけな存在だと思い知らされる。
 砂漠の部族はイギリスの社会とは著しく異なる価値観を持つ。彼らとの面会や交渉や移動や戦闘、何をするにもそれら一つ一つが欺瞞と驚きと危険と興奮に満たされ、国家の思惑と陰謀に踊らされながらも何とも厳しく壮大な劇を作り上げた。

 実写による本物の映像の凄さはやはり特筆すべきものであろう。CGが実写ではあり得ない素晴らしい世界を作り上げる反面、そのあり得なさや不自然さに不満を抱くこともある。だがCGがこの時代になかったことがこの映画では幸いした。セットの豪華さ、戦闘場面の迫力、砂漠の厳しさと美しさが見事である。

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Cape God