「誰も唄わないけれどミュージカル」アメリカン・グラフィティ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
誰も唄わないけれどミュージカル
全編に当時のヒット曲がかかり続ける
場面説明、心理描写、盛り上げ
全てがそれで行われている
普通の劇伴奏のサウンドトラックに相当するものは皆無
画期的な音楽の使い方だ
4人の夏の終わりの一夜のストーリーが並列で進行してそれぞれに絡みつつ、それぞれに終わる
グランドホテル形式に似てるが少し違う
若者が悩んだ末に自ら答えをだし新しい道を一人歩みだすというテーマを結論にブレずに伝える脚本構成はお見事
夜の街の撮影主体ながら、美しく夏の暑い空気感まで感じさせる撮影も見事
1962年アメリカがアメリカであった最後の光景を活写している
本作には誰一人黒人は登場しない
カメラに映り込みすらしない
この街には黒人がいないかのようだ
これもまた当時の白人中心のアメリカの心象風景なのだ
見えていない
10年後の1972年、黒人がヒーローの映画黒いジャガー シャフトが大ヒットする
その10年の間に、ベトナム戦争、黒人公民権運動と暴動、ビートルズ、ヒッビーが登場してアメリカが変わった
いや、現実のアメリカを直視し目に映るようになっただけだ
変わったのはそこだ
若き新人俳優の頃のハリソンフォードが台詞付きのいい役を貰って頑張ってます
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