「If it means civil war, then let it come」アミスタッド Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
If it means civil war, then let it come
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奴隷貿易の非情さを告発し、それに裁きを食らわす。映画としては地裁判決をクライマックスとして終わっても良さそうなものだが、2段目のクライマックスがその後もたらされる。アダムスのスピーチはアメリカの普遍的な価値観を示したものであり、単に奴隷制度に対する裁きではなく、現在の諸所の問題にも適用されうる。銃規制なり国民皆保険であっても、それで国が二分されて内戦が起きかねないとしても、正しいのであればそれで構わないというガッツを持つこと。そして国民全てがその勇気と覚悟を持ち主権を行使すること。スピルバーグはアダムスの言葉に従い、先人アダムスの言を持って現代アメリカ人に訴えているのかもしれない。
題材もよく、テーマ性にも優れ、役者陣も充実ということだが、気になったのは先の二段ロケット構造。1段目に火薬詰め込みすぎ。既に成層圏に出ちゃってるよ。マコノヒーには悪いが、もう少し最後に向かう流れにしてもよかったのではないか。後でこっちが騙された感もあった。
余談ではあるが、出鱈目な通訳をした言語学者のギブス教授、いとこのビニーの吃音の弁護士と同じ役者。厳かな音楽が終始奏でられる重い映画の中で、1人、和やかな表情でめちゃくちゃやってるのが笑えた。
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