劇場公開日 1985年2月

「モーツァルトとサリエリを描いた貴重な作品」アマデウス Sarahさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0モーツァルトとサリエリを描いた貴重な作品

2024年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

天才モーツァルトの生涯を宮廷楽長サリエリを通して描かれた作品。
いつの世も天才の挙動は凡人には理解できないものだが、18世紀ヨーロッパで生まれ育ったモーツァルトはとりわけ顕著だったに違いない。作中のモーツァルトの破天荒ぶりは驚くものばかりだが、あながち大げさでもないのかもしれない。
一方、宮廷楽長として成功していたサリエリが、モーツァルトの出現によって嫉妬と憧憬で葛藤していくさまは、時に心苦しく、時に多くの人が抱えたことがある負の感情として共感を覚える。
アントニオ・サリエリを描いた作品は媒体問わず少なく、日本語で入手可能となると数えるほどしかない。今作は史実とは異なる点はあるものの、彼とモーツァルトの確執を知る手始めとしてちょうどいい物語。
鑑賞後にモーツァルトの作品、特に『レクイエム』を改めて聴くと、彼がどんな心境で曲を作ったのか、思いを馳せられる。
音楽好きはもちろん、『FGO』などのゲームやミュージカルで2人に興味をもった人に見てもらいたい作品。

Sarah