「天才と一般人のコントラストが凄まじい。」アマデウス 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
天才と一般人のコントラストが凄まじい。
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<総評>
天真爛漫な才能所持者と地道な努力上がりの人間との対比が色濃く出ており、見ていてサリエリへの深い共感を覚える作品。天才は性格を犠牲にして生まれたことが分かるし、『子供のもつような純粋さ』は善とはイコールし得ないことも再確認できる。そして、一般人は自分の持たないものを持つものと自分を比較することで、折角生まれ持った人格を落として堕天していくことが分かる(自分の持っているものを分かっていないのだ)。
<ラストについて>
・冒頭では罪を悔いていると思っていたサリエリだが、ラストを見ていると「神へのアヴェンジャー」としてのサリエリはハッピーエンドを宣言していると受け取った。自分的にはモーツァルトの立場を度外視すれば、やり遂げたんだな、と悪くない思いだった。
<その他>
・神父がイケメン。スパイメイドが可愛い。
・「ものの分かる女は才能に惚れるの。」という女の言葉が印象的。
・神は天才を通して自分のちからを表現する、という考え方が一貫してあり、天才はその人の力の能力なのだ、と捉える一般的な考え方に対して、当時のキリスト教社会ではそのような人が多かったのかな?と疑問に思う。
・ピアノ(=オペラ)が当時のエンタメの最前線だったのが分かった。当時はエンタメを楽しむには教養が必要だったのだなと考える。
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