「深い」暗殺の森 yukiさんの映画レビュー(感想・評価)
深い
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日本語のタイトルは『暗殺の森』だが、原題は"IL COMFORMISTA"。イタリア語で「周りに同調する者」という意味。この映画の軸は単なるファシズム批判ではない。実はファシストなんて者はいない、みな正常であろうとするからファシストだったのだ。そしてこれはもっとも正常でありたかった男、Marcelloの話である。その主張は随所で見られる。盲目の親友イタロとの会話、教授との洞窟の比喩の会話。ムッソリーニが失脚した途端民衆はころっと態度を変える。
なんの予備知識もなく一度観ただけではあまり面白くないのではないか。私は一回目は1人で、二回目は教養のあるイタリア人と観た。一回目は美しいという印象が強かったが二回目でいろんな疑問が解けBERTOLUCCI監督のすごさを知った。
最後に、ファシズム建築と美しい女性たちがこの映画に花を添えている。
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