「帰還できないかもしれないという恐怖がそれほど伝わってこない」アポロ13 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
帰還できないかもしれないという恐怖がそれほど伝わってこない
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
物が宙に浮く無重力空間を表現したり、電力不足でヒーターの停止したロケットの中で吐く息が白かったり、ロケットの再現などはなかなか凝っていて本物のようだった。ロケットの打ち上げに至る過程や、事故への対応を指令室と宇宙船をつなぎながら細かに再現されている点も良く出来ていた。次から次に発生する問題を、総力をあけで何とか解決策を見つけて片づけていく様子が一番の見どころだった。
だけど事故が起きて帰れないかもしれないというときの宇宙飛行士たちの恐怖や焦燥感があまり伝わってこなくて、観ていてそれほど緊張しなかった。酸素がない、ロケットの機能が失われた、制御が出来ない、家族にも会えない、あと何時間生きられるのか、そんな生々しい感情が不足気味。むしろ帰還のために働いている地上の指令室の人たちのほうに緊張感があるように見えてしまって、手に汗を握るというほどの演出ではなかったのが残念。
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