「人智を尽くして天命を待つ」アポロ13 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
人智を尽くして天命を待つ
私事で恐縮です、随分昔ですが会社の研修旅行で宿のシーツで上映しました、若いスタッフには好評でしたが酒に酔った同僚から「温泉まで来てこんなくそまじめな映画なんて見せられなきゃいけないんだ」と絡まれました、もっともです。
なんといっても本作の凄さは事実の重み、些細な製造ミスが重大な障害を引き起こす。次から次に起こる想定外の難問、一人の天才ではなく名もないスタッフ、技術者たちが底力を発揮する。全ての権限を管制ディレクター(エド・ハリス)に一任したNASAの上層部も凄い。
13という不吉な数字を冠したのは現代人の傲慢か、日本では安全祈願や成功を祈ってお祓いや神社詣が慣例だ。然しながら人智を尽くして天命を待つならともかく福島の悲劇や、昨今の製造業のデーター改竄などに直面すると別の意味での傲慢さが見えてくる。
後に会社のプロジェクトの打ち上げで見学者に「ご来場の皆さんの関心は成功の模倣か失敗の学びでしょう、後者であれば材料に事欠きません」と挨拶した若いシステムリーダーの名言を思い出した。
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