「裏切りは蜜の味」暗殺のオペラ パッチワークすさんの映画レビュー(感想・評価)
裏切りは蜜の味
ベルトルッチの『暗殺のオペラ』ってきたのだが、その前にリチャードビーンの『THE BIG FELLAH』でソレこそ「英雄と裏切りのテーマ」を予習していたゆえか「衝撃の真実!」に成り得なかったのはちょっと物悲しいと言うか、いつもながら食べ合わせが悪かった時の消化不良という感じである。この手の話にはスパイや密告や暗殺、処刑はつきものであり、何度となくボルヘスのテーマは繰り返されるのだろうと思う。結果的に英雄として死ぬことができたアトスではあるが、アトスが英雄たり得るにはファシズム(ムッソリーニ はファシズムの原理をイタリア人の深層から引き出しただけと豪語し、そのためにムッソリーニ そのものは必要ない)と言う存在が必要とされるのであり、ファシズムが歴史の牢獄に幽閉されたからには、忘れられた町の草むらの中に一時の夢のように忘れ去られるしかない。
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