「さすがデニーロ」アナライズ・ミー プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがデニーロ
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デニーロはマフィアのボスだったが、パニック障害にかかっていた。
そして偶然自動車で接触した精神科医を、強引に主治医にする。
ところが素直でないデニーロはパニック障害であることを認めない。
なのに夜中に急に部下に命じて強引に医師を連れて来させたり。
ついには医師の結婚式にまで乗り込んで来る。
医師は頭に来ているが、どこかデニーロを憎めなくなって来る。
そんな中で医師が裏切ったと思ったデニーロは医師を殺そうとする。
というかいつもの冷徹さは出ず、なかなか踏ん切りがつかない。
苦し紛れの会話から、デニーロの病気は彼の小児体験が原因と判明。
目の前で父が殺されるのを救えなかったことに起因していた。
この事に気付き、デニーロは一気に晴れ晴れとした心になる。
最後はマフィアのボスから足を洗うことを部下達の前で宣言。
元々デニーロを殺そうとしていた奴らとの銃撃戦になる。
そこに警察が踏み込み、全員逮捕となるが、医師との信頼関係は深く、
獄中でも医師と患者の関係であり続けるという結末。
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この映画を見ていて改めて気付いたことが2つある。
この時代(1990年代?)の映画は何故か好きで面白いということ、
それからデニーロの演技はやはり素晴らしいということ。
デニーロの映画は、いつも彼の演技のうまさに引き込まれてしまう。
そして善人であろうと悪人であろうと、共感してしまう。
この映画も、一般の良識人である医師に共感しながらも、
破天荒なデニーロにも何故か共感してしまう。
平気で人を殺しても何となく許せてしまい、足を洗えば良かったと思う。
そして医師との友情を心から祝福する。
いつになくクサいが、本当にそんな感じにさせてしまう。
それがデニーロの持つ魔力なんだと思う。
全体にコメディを織り交ぜながら軽快な感じで展開し、
非常におもしろい作品になっていた。