「今も昔も都会の魔窟から被害者を救うのは身近な人の愛情か」アタラント号 KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
今も昔も都会の魔窟から被害者を救うのは身近な人の愛情か
作品としては高名だったので、
近くの図書館からレンタルして初鑑賞。
私にはこの作品の歴史的評価は出来ないが、
ヴィゴ監督と撮影のカウフマンの
元々の見事な構図描写に、
近年の修復技術が加わったためか、
時代を感じさせない鮮明で美しい
映像作品だった。
ストーリーは、
花嫁が単調な船中生活に飽きて
パリという大都会の魔窟性に
一旦は心奪われるが、身近な人に救出
される、という良くある話ではある。
DVD添付の解説書には、ヴィゴ監督が
「月並みなストーリー(中略)の脚本を
嫌った」とあるので、当時でも
珍しくはない筋書きだったのかも知れない。
都会には、良いも悪いもなく一旗揚げようと
人々が集まってくる魔窟になりかねない要素
が、当時の人々の意識にもあったのだろう
と思う。
その都会の魔窟要素は現代にも生きていて、
そこから人を救うのは、
やはり身近な人の愛情しか無いだろうと
再確認させてくれた作品だった。
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