青いパパイヤの香りのレビュー・感想・評価
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映像で魅了する、女性の物語
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この作品は、作中の時代の女性の生き方(愛)についての物語だった。
主人公は十代から始まるムイだが、ムイが奉公する先の母、祖母、とムイが将来たどるかもしれない女としての未来まで描いている。
ラストでムイは結婚して子どもを授かるが、その先には一人苦労しながら子どもを育てる母親があり、更にその先には夫に先立たれて孤独に生きる祖母がある。
もちろん全ての女性がそうではないし、現代の感覚にはそぐわない感性も存在するけれど、あくまで作中の時代のことととらえつつも、全然的外れってこともないあたりが面白い。
幾人かのレビューアーさんも書いているように、この作品の魅力はセリフに頼らず映像で物事を伝えようとするところだろう。
つまり、感覚で、感性で観なければいけない。
映画にとって一番はやはり映像だ。画が魅力的な作品はいい。
湿度が高そうな暑さが伝わってくる色彩感覚もいい。指先で虫を、パパイヤの種をいじるシーンも印象的。
メチャクチャ面白いということはないけれど、実に「映画」している作品で、良かった。
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蒸し暑くなるような空気感が伝わってく
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ベトナムには実際に行ったことがあるが(2010年代前半)、バイクの音がやかましく、にぎやかだったと言う印象がある。ただ、この舞台となった時代にはその喧騒も全くなく、静かだったに違いない。
画面から蒸し暑さが伝わってくる。しかも、この映画のタイトルにもなっているように南国独特のフルーツの香りまで漂ってくるようだ。実際にはフランスで撮影されたようであるが、セットの完成度が高いと言うことでしょうね。
物語は、1人の少女を通して片思いから恋愛へと発展しく過程がみずみずしく描かれて、非常に爽やかな印象の映画だ。
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